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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 11

「・・・ちゃぷ・・・チュパ・・・チュパ・・・ん?如何かなさいましたか勇者様?・・・私何か粗相を致しましたでしょうか?」
メリサリムは恋する少女の敏感さで、主人が何処か上の空で有る事に気が付いた。
「いや・・・そうじゃ無い・・・実はそろそろまた旅に出ようかと思ってな・・・」
その言葉を聞いたメリサリムは、嬉しそうに笑う。
「左様ですか、では早く旅に出られるよう、私が明日にでも用意を整えましょう!!もちろん、勇者様と私の二人分の用意を整えさせていただきますわ!!」
少女の言葉にむしろバンの方が驚く。
「?・・・お前も付いて来る心算なのか?」
「勿論ですわ我が勇者!!勇者様の行かれる所でしたら、例え其処が世界の果で在ろうとも、魔界の底で在ろうとも、メリサリムは、何所までも付き従う所存で有りますわ!!其れこそが、聖剣の守護者たる巫女姫の使命であり、戦女神ミネルヴァによって与えられた、私の運命なのですから・・・」
メリサリムは、自分の両手を祈りを奉げるように合わせると、豊満な胸を揺らして、誇らしげにそう宣言した。
絶世の美少女に、ここまで言われれば、バンも悪い気はしない。
「フ・・・仕方の無い女だ・・・良いだろう!お前も連れて行ってやるよ!!・・・その代わりシッカリと奉仕してもらうぜ!!」
「ハイ!!勇者様!!」
こうしてバンは、自らの従者と成ったメリサリムを連れて、風のむくまま、気の向くままに、新たな冒険の旅へと出発したのだった。


「勇者様、これからどちらへ向かわれるおつもりですか?」
馬車に揺られながらメリサリムはバンに尋ねた。
「そうだなぁ…とりあえず大陸に渡ろうと思う」
「大陸ですか」
「ああ、俺はこの広い広いエスパニアの世界を風の向くまま気の向くままに自由に旅してみたい。色々な国々の色々な人々をこの目で見て回りたいんだ(そしてあわよくば各国の美女達と…ぐふふ)」
「それは素敵です!このメリサリム、喜んでお供いたします」
「おう!付いて来い」

ところが、物事そう上手くは運ばないのが世の常…。
何せ伝説の聖剣の使い手たる勇者である。王国側がそう簡単に手放すはずが無かった。
ある港町で馬車を売り払い、大陸行きの船に乗り込もうとしていた所、バンとメリサリムは王国軍の兵士達に取り囲まれてしまった。
「ゆ…勇者様ぁ…怖いですぅ…」
「何なんだテメェらは!?そこを退きやがれ!俺達は船に乗りてえんだ!退かねえってんなら…」
バンは腰に下げた聖剣の柄に手をかける。
兵士達の顔は恐怖で引きつった。
その時だった。
「…聖剣の勇者ともあろう者が、そう簡単に剣を抜くものではない」
そう言いながら兵士達を掻き分けて一人の女騎士が姿を現した。王国軍の騎士である事を示す紅いマントを羽織り、白銀の女性用甲冑に身を包み、長い黒髪をポニーテールにしている。鋭い目付きの凜とした印象の美しい女騎士だった。
「お初にお目にかかる。ダモクレスの聖剣の使い手にしてバッカーズ流剣術師範代バン・バッカーズ殿、ならびにダモクレス神殿巫女姫メリサリム殿。国王陛下の命により貴殿らを王宮にお連れいたす」

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