錬金術師カノンと五聖麗 56
「貴方が言ったところで私には分からないわよ!」
アセリアは魔獣を倒しながら答える。
「まぁ、幸い俺の様な錬金術師に魔力はないから魔力切れで魔法が使えなくなる事はないが、だけど面倒臭い!なぁ、アセリア、シェリル、裏技その@使っていいか?」
「そんなのがあるならさっさと使ってよ」
「考え事なんてご主人様らしくないですぅ〜」
「OK、じゃあおっぱじめますか?」
そしてカノンは懐に手を入れると、そこから紅く輝く綺麗な石を取り出した。
「「何それ(ですぅ〜)?」
あ、ハモった。
「ああ、これか?これは、錬金術師にとって喉から手を出したくなるほどの代物、賢者の石だ」
「う〜ん聞いた事はあるわね」
「シェリルは昔ご主人様から聞いた事があるからわかりますですぅ〜」
「シェリルは態々教えたんだから覚えてて貰わんと困るがな。しかし、アセリアもある程度は知ってたか」
「う〜ん、知ってると言っても名前だけよ?その力の事自体は分からないわ」
「そうか……取り敢えず説明した方がいいか止まっている暇がないから歩きながら説明するぞ。それと、話しにも気を取られ過ぎるなよ?魔獣に襲われても知らんからな」
「そんな事は分かっているは。その程度片手間で出来ないと、エルフの名折れだわ」
「勿論、シェリルも大丈夫ですぅ〜。このアセリアさえヘマしなければですけど〜」
「これこれ、喧嘩になるんだから挑発しない」
「ホントよね。子供でも分かる事なのに……あ、でも体格は子供よね?」
「むぅ〜、ご主人様!またこの胸だけ女に苛められました〜!」
「だから、喧嘩すんな!」
「ごめん」
「はいですぅ〜」
「兎に角、話し戻すけどいいか?」
「はいですぅ〜」
「うん」
「んじゃ、説明するぞ。賢者の石はこの世に7個ある。俺が旅してた一つの理由として、賢者の石を探してたな、現在俺は3つ賢者の石持っている」
「ちょっと、質問いいかしら?」
「ん?」
「賢者の石って、石ごとに何か違うの?それと私達にも使えるの?」
「能力は後で説明する。あと、賢者の石は錬金術師ぐらいにしか使えん。理解している者以外はただの綺麗な石ころだ。ただ、一部例外があるがな」
「例外?」
「ああ、魔獣が賢者の石と同化したって感じかな?倒すのに非常に苦労したぞ。賢者の石の相乗効果で下手な幻想種並みの力があったな……」
「そんなに変わるものなの?」
「まぁ、賢者の石一つで国を滅ぼせるな……」
「わふぅ〜、ご主人様よく同化した魔獣に勝てたですね〜」
「苦労したがな。賢者の石に対抗出来るのは賢者の石だけだからな」
「それでもすごいですぅ〜。やっぱりご主人様って強いですね〜」
「そうでもないさ。んじゃ話しを戻すぞ?」