錬金術師カノンと五聖麗 46
「まぁアセリア、そう剥れるな。お前はああいった探査や霍乱させたりするの苦手だろ?お前は近接戦闘型なんだからよ」
「……うん、でも……」
「人には誰しも得手不得手だある。俺はアセリアのその戦闘力に期待しているんだぞ」
「……有難うカノン。そう言ってくれて私嬉しい……」
アセリアは感謝の言葉を表し、潤んだ瞳でカノンを見詰める。
なんだかいつの間にやら桃色雰囲気を形成させている二人がいた。
「はい、ストップですぅ!シェリルを無視して甘い雰囲気にならないで下さいですぅ〜」
「何よ?せっかくいい雰囲気になったのに……」
「そんな事はシェリルが許さないですぅ〜。だってもうご主人様とシェリルは体の隅から隅まで知ったラブパートナーなんですよぉ〜」
その衝撃事実にアセリアはキッとカノンを睨みつけるが、さっき暴れた時とは打って変わって今度はほくそ笑んだ笑みをみせている。
「……ふん、それは昔の話しでしょ?所詮若さ故の過ちだもの。例えカノンがロリペド男だとしても、私のこの体で幼女趣味な性癖を矯正させて、どれだけ大人な体の方がいいか分からせてあげるもの」
そして更に舌戦は続く。
「それに…あなた鏡を見たことあるの?何よ、そのペッタンコな胸!色気のないお尻!そんなんで男が誘えると思ってるの?」
「うぅ…ご主人様!この胸しか自慢することのない女に侮辱されたですぅ!」
「だれが胸だけよ!子供は嫉妬深くて嫌だわ!」
「ふんっ!胸に栄養を取られて頭が働かない奴に言われたくないですぅ!それに、私はご主人様と愛し合っていますですぅ!ぽっと出のあたなに…」
ダンッ!
シェリルが不可視の力に押され、飛んだ。
「…シェリル?」
「お前等ぁ!こんなとこで大声で喚けば見つかるに決まってんだろ!バァ〜カ!」
カノンが声の方を向くとそこには四人の青年が立っていた。そのリーダーらしき男がなおも続ける。
「今のは俺のかわいい使い魔を殺っちまった分だ!そういえば、お前…カノンだろ!何でここにいんだぁ?」
「…どちら様?」
「が〜っ!同じクラスのアルテマだ!忘れてんじゃねぇよぉ!」
「カノン…なんかちゃっかり知り合いみたいだけど口で解決できないの?」
「いやぁ…どうも思い出せないな。それにシェリルを攻撃したんだ…倍返しだ!」
そしてカノンは、パンと手と手を合わせ、地面に手を置くとバチバチとプラズマ音を立てながら、蔦が絡まった土の檻を形成させ少年四人を捕獲した。
「な、なんだこれは?お前は魔法がつかえないんじゃないのか?」
その取り巻きの仲間も慌てている。
「さぁ?俺が何だろうとお前等には教えんがな」
「ふ、ふん、どうせオチコボレの考え出した目晦ましだろ?こんな物俺達の魔法で破壊してやるぜ!」
そして、アルテマ一行は土の壁に魔法攻撃を放つ。
しかし、多少土の壁に傷は付くものの、土の壁の耐久度はまだまだ余裕がある。