錬金術師カノンと五聖麗 43
寧ろダークエルフなんじゃないか?ってそんな事を考えている場合じゃない!
このDedEndに行きそうなこの状況をなんとかせねば……
「取り敢えず、弁明の余地を……」
しかし、またこの悪戯っ子はまたいらん横槍を入れてくる。
「あの、待って下さいですぅ〜。アセリアさんでいいんでしたよね?ご主人様は悪くないんですぅ〜悪いのは私なんですぅ〜私はご主人様の精液がなければ生きて行けない淫乱な雌奴隷なんですぅ〜」
「ちょっ、コラ、シェリル嘘は言うな!(確かにした関係ではあるが)調教をした覚えなど俺はない!」
「そ、そんな!?あれだけ私を辱めておいて、知らん振りなんですかぁ〜?酷いですぅ〜。全てを投げ打ってまでご主人様に尽くして来たというのに、いらなくなったら容赦なくゴミ屑の様にポイ!なんですねぇ〜!」
およよとその場に崩れ落ちるシェリル。
注:9割型シェリルの自作自演である。
「アホー!ここで変な嘘言うなぁ!まじで死ぬって」
カノンはシェリルに抗議する。
その時、カノンの肩をポンポンと叩く者がいた。
カノンの心臓が口から飛び出しそうな程驚いた。
そしてカノンが薇仕掛けの様に振り向くとそこには……
当然だか怒っていた。しかもかなり…
「せ…せせ、せっかくの良い雰囲気を台無しにされた挙句にぃ〜…こここんな小さな子にまで手を出してたス、スケコマシだったなんてぇぇ〜っ!!」
アセリアの声が怒りに震える。
「ご…ごめんなさい!許して!お願い!ねぇ!助けて!シェリル!?エリザ!誰でも良いから…ギャャァァッ!!」
夜のマルスにカノンの悲鳴が響き渡った…
その頃、シィナ一行は…
「ねぇ、素敵なおじさま?ここの馬、三頭ほど売って下さらない?」
艶っぽい声音でリアが髭面の男に尋ねる。
リアは谷間を見せつける様に懇願する。
ここは快楽と暴力が支配する町、ゴータの盗賊の溜り場となっている酒場である。
「い、いいぜぇ…そうだな。2000ってとこだな、ゲヘヘッ」
意地の汚い笑いで髭面を醜く歪め言う。この世界における馬、一頭の値段は銅貨150枚前後が普通である。
「そんな…おじさま?ほんとはおいくらなのかしら?」
リアはスカートの裾を摘み、ゆっくりと上げていく。
「おぉぅ…じゃあ1500…」
リアの裾を上げる手が止まる。周りから男に野次が飛ぶ。
「っ…1000だ!これ以上は…」
「うぅん…お、じ、さ、ま♪」
リアはスカートをたくし上げ、美脚が露わとなる。
男が喉を鳴らした。
「えぇいっ!500!500でどうだ!?」
「きゃ〜!ありがとね、おじさま♪」
「くそっ!商売、騰ったりだ!」
リアは金貨を一枚、取り出すと机の上に置き、店を出た。店の前には三頭の馬とシィナ、スパイム、そしてケティが待っていた。
「たくっ…なんで私がこんなことやんなきゃならないのよ!」
「いやいや…リア、お前には男を狂わす才能があるよ、うんっ…」