錬金術師カノンと五聖麗 5
「あれ?マジか?冗談のつもりだったんだが……」
流石に、恥ずかしがって怒るかと思ってたがOKだとは……これには想定外…想定外…
「いいですよ。私は初めてですけど、カノンさんの事はずっと前から好きでしたから。それにもしかしてらもう逢えなくなるかもしれません。ですから逢えなくなる前にカノンさんとの思い出を作りたかったので……」
シィナの一世一代の告白に、顔はリンゴの様に赤く染まっていた。
「ああ〜そうか……それは光栄だね。でも、何で俺なんかが好きなんだ?普段は自分を偽っているのに」
「そうですね、私は以前カノンさんに助けて貰った事があるんです。覚えていませんか?私がこの学院に入学してまもない頃、先生に内緒で魔術の実験をしている時、失敗して学院の備品を壊してしまったって先生に怒られそうになった時、偶々通り掛かったカノンさんが、自分が壊したといって私を庇ってくれたんです。その時になんて優しい人だなって思ってその時に好きになったんだと思います」
「ああ、あれかぁ、そんな事もあったね」
カノンはそんな事があった事をすっかり忘れてた様だ。
「つか、あれな最初に壊したの俺なんだよ。錬金術で直したんだけど、また戻って来た時壊れてたから、失敗したかと思ってたんだけど、あれは君が壊したのか。今謎が解けたよ」
「でも、私を庇ってくれた事には違いありません。私は貴方が好きです。私の初めて貰って下さい」
今度は恥ずかしがらずに、顔は相変わらず赤いが真面目な表情でカノンに思いをぶつけた。
「ふぅ、わかったよ」
カノンは無表情(カノンの真面目モード)でイマイチ何を考えているか分からないが、シィナの方は緊張した面持ちでゆっくりと二人は近付いていく。
カノンがシィナの肩に手を置くと顔を近付け、キスをした。
シィナはキス自体ファーストキスでぎこちないがカノンのリードでシィナの緊張は徐々に緩和されていく。
数分のキスの後、シィナは思い掛けない行動に出た。
シィナの舌がカノンの口内へと入って来た。
シィナの大胆な行動にカノンは最初は驚いたもののすぐに平静を取り戻し、シィナの舌を受け入れた。
くちゅ、んちゅちゅ、くちゅ
室内には二人しかいない為、口から奏でる淫靡な音が鮮明に聞こえてくる。
しばらくして二人は互いの口を離した。
「君って結構大胆なんだね?」
「え?そうでしたか?夢中になってたんで自覚なかったです」
「そうか……それじゃ、次に行くけどいいかな?」
「はい」
「よし、取り敢えず…服……脱ごうか?」
「はい。でも脱いでいるのを見られるのはちょっと恥ずかしいんで向こうを向いてて貰えますか?」
「……ああ、わかった」