錬金術師カノンと五聖麗 26
その頃、カノンとアセリアは既に5回戦を終え、一緒のベッドで寝ていた。
「悪い、ちょっと無理させすぎた……」
「全くよ。止めてって言ってもどんどんするし……でも、気持ち良かったから許す」
しばらく寛いでいたカノンは異変に気付いた。
「おい、アセリア着替えろ。何者かが侵入した」
「本当に!?」
「ああ、でもここに入ったのは間違いだな。何せ俺が錬金術で創った家だ。俺達以外の侵入者が入った場合特性のセンサーが気付いてこの家トラップハウスになるぞ」
「
トラップ?それってどんなの?」
「ん。生かさず殺さずの精神的にダメージを与えるトラップだな。まぁ、物によっちゃ死ぬトラップもあるが、それは2割ぐらいしかないからな。でも、凶悪な事には変わりないな」
「侵入者が気の毒ね」
「入った奴が悪い」
「それもそうね」
スパイム一行の視点に戻る。
スパイム一行は家(カノン特性錬金術の家)の中に入る。
全員が入ると扉がバタン!独りでに閉まった。
「うおぉっ!!」
スパイムはドアのノブを引くが、開かない。
「マジかよぉ…」
「どうしたの?」
「閉込められた…」
「嘘っ!?」
シィナとリアは顔を見合せると青くなる。
「はぁ〜…しょうがねぇ!進むぞ…」
「進むってこれ、間違いなく罠よ?」
「大丈夫だって…死ぬような罠なんて…え?」
スパイムの足下の床が外れた。
「えええぇぇっ!?」
スパイムは両手足をふんばり、壁に吸着する。
「スパイム!大丈夫っ!?」
「な、なんとか……」
「今、ロープを降ろすから、それまで頑張ってね〜」
「ね〜って何っ!?その緊張感の無さ!」
無事、引き上げられたスパイム。
「底には竹槍が敷き詰められてたぞ…何だ、この家は?絡繰屋敷か?」
「どうするの?まだ進む?」
シィナが尋ねると何かを決意した顔でスパイムは言った。
「当たり前だ!ここで退いたらなんか負けたみたいでヤダ!」
「しかたのない人ねぇ〜。だったら先頭を歩いてよ?」
「おうっ!まかせろやぁっ!」
それからは幾つもの罠が一行を襲った。(ほとんどの被害者はスパイムだが…)
シュッ…
「甘めぇっ!」
ボロボロになったスパイムが放たれた矢を素手で掴まえるとへし折った。
「ふっ…まだまだだな…」
「それだけ罠に掛ってちゃ、カッコ付かないわよ?」
「うるせぇっ!気分だよ、き、ぶ、ん!」
スパイムが大声を出すと…
ガコンッ…
天井が落ちてきた。
ドンッッ!…ガララ……
直撃したスパイムは呆然とする。天井は薄かったようで無傷だ。
プチッ…
「あったまきたぁっ!」