錬金術師カノンと五聖麗 22
「だ、だから、私とね、け、け、結婚しないといけないのよ!」
アセリアの顔は更に赤くなっていく。
「……ああ〜血の痕の方の血痕じゃなくてか?」
「そうよ!さっきからそう言ってるじゃない!」
「……まじかよ!?それって強制か?任意じゃなくて?」
「そこまでは族長に聞かないとわかんないけど……」
「そうか、まぁ、この件に関しては、アセリアの頼みが終わったら改めて考えよう」
「うん………」
アセリアはカノンを見つめたまま黙り込む。
「…何か?」
「あ、あのね…さっきのセイントエルフの掟には続きがあって…」
「…続き?」
カノンは嫌な予感を感じつつも尋ねた。
「…そ、それがね……もし自分より強い者に肌を見られたら…」
「結婚すんだろ?もう、聞いたよ…」
「だからっ…続きがあるの!…結婚をするのもそうなんだけど…う〜〜…」
アセリアは俯いて、唸る。
「…どうしたっ!?大丈夫かっ?」
「〜〜…恥ずかしいの!分ってよ!もうっ……だ…だ…」
「だ?」
「だ…だだだ抱いてもらうのよっ!」
「はぁ?抱くってお前…こう、抱き合うの抱くじゃないよな?」
嫌な予感が当たった。ジェスチャー付でカノンは聞く。
「うん……その…あの……男と女の…アレよ…」
「アレか…それはもちろん任意だよな?まさか、強制的にってはいかないし…アセリアも好きでもない男に抱かれるのも嫌だろ?」
「それは好きじゃない男だったら嫌だけど………う〜〜」
アセリアは恥ずかしいと唸る癖があるようだ。
「カ、カノンだったら……いいよ」
「話しは分かった。だが、アセリアの口振りからすると、処女じゃないのか?」
「あ、当たり前でしょ、しょ、処女じゃなかったら今頃結婚してるわよ」
顔を赤らめながら怒ったりもじもじしているのを見ると、美人だって事は一目見た時から分かっていたが、今のアセリアはすごく可愛らしく感じる。
「まぁ、君みたいな美人と(SEX)出来るのは俺としても本懐だけどな」
「そ、それじゃあ、わ、わわ私を、だ、だだ抱いて」
今にも顔が沸騰しそうな表情で、一世一代の大勝負に出た。
「どうやら本気みたいだな。わかったいいだろう」
そう言って、二人はカノンの寝室に向かって行った。
「さて、改めて聞くが本当にいんだな?」
「……うん。や、優しくしてよ……」
恥ずかしがりながら、アセリアはボソボソと小声で応える。
「でも、その前にシャワー浴びさせて……す、するんだったらちゃんと綺麗な格好でしたいから……」
「ああ、分かった。俺もちょっと朝の一件で服とかボロボロで、体も少々埃っぽいから俺も浴びたいところだったんでな。なんなら一緒に入る?」