錬金術師カノンと五聖麗 23
「……い、一緒に入っても……いいわよ」
「え、まじで?」
一応カノンは冗談のつもりで言ったのだが、まさか、肯定するとは思っていなかった。
「……うん、お互い裸になった時にぎくしゃくしない様にする為に、徐々に慣らしてしたいから……エルフの誇りとして無様な姿は見せたくないもの……」
「……お前そこまで……分かった、一緒に入ろう」
「うん……」
そして、二人は一緒にシャワーを浴びる為に風呂場に向かった。
アセリアは後で行くから先に入ってて、と言ったので一足先に脱衣所に入ったカノン。
「はぁ…俺の服、ぼろぼろだ…四着しかないのに…」
アセリアの執拗な攻撃のため、もう着れないだろう服を見てカノンはぼやく。
「さってと…シャワーでも浴びるかな?」
昨晩、火と水との混合式で造ったシャワーにアセリアは感激していたが、まさか自分と入る事になるとは思いもよらなかっただろう。
浴室に入ってしばらくすると、脱衣所に動く気配がした。
そして、衣擦れの音もやみ…
「…カ、カノン……」
タオルで体を隠し、アセリアは入ってくる。
「アセリア…」
「ごめん…やっぱり恥かしくて…」
「いや、まぁ…だんだんと慣れればいいよ…」
「うん…」
「じゃあ、俺は湯船に浸かっているから…」
カノンは湯船に浸かるとアセリアはシャワーを浴びだす。
(タオルのままってのも逆にそそるモノがあるよなぁ…)
カノンはアセリアを見つめながら考えていると、ムクムクとカノン自身が鎌首をもたげる。
(む、いかん興奮してくるな。ここで、暴れてはいかん)
「もう、あまりじろじろ見ないでよ!恥ずかしいんだから」
「(見ていたのバレたか?)すまん。アセリアの体白くて綺麗で非常に興奮してしまった」
「もう、まぁいいわ、綺麗って言ってくれて私は嬉しいわよ」
アセリアはボディソープで全身を泡だらけにしていて、それが、更にアセリアの魅力を惹き立たせている。
(いかん。まじで我慢の壁が決壊しそうだ。理性に任せて襲いでもすれば、完全に殺されるな……)
「ねぇ、カノン……」
アセリアは暗い顔で話しかけてきた。
「な、何かね?」
理性と本能を心の中で秤にかけながら、カノンは応える。
「…わ、私ってそんなに魅力ない?」
「…何故、そう思うんだい?」
「だって…私になりに…お、男の人を誘うような…その……コトをしてるのに…カノンは……お、おお襲ってこないじゃない……」
アセリアは目を潤ませ、カノンを見つめる。
(ぬおぉぉ…その表情は反則だぞ、アセリア…り、理性の壁が……)
カノンは立ち上がると、アセリアを抱きしめた。