錬金術師カノンと五聖麗 15
「え!?今錬金術って言った?じゃあ貴方錬金術師・・・?」
突然アセリアが錬金術と言う言葉に過剰に反応し、目の色を変え、カノンの顔色を伺う。
その過剰な反応に流石のカノンも慌てた。
「お、おい、いきなりどうした?」
「やっと見つけた・・・・・・」
「は?何を見つけたって?」
「お願いです。力を貸して下さい!」
「何の?というか、状況が掴めないのだが・・・しかも何故かいきなり敬語になってるし」
至極当然な質問である。
「取り敢えず何の力を貸して欲しいのか?俺は何をすればいいのか話してくれないか?」
「はい、では話します」
そしてアセリアは慌て出した理由を話し始めた。
概要すると、アセリアには双子の妹がいるらしく、その妹が原因不明の奇病に罹り日に日に衰弱していくのだそうだ。
そんな妹を見ていられなく、族長に治す策を聞いた。
そこで族長に聞いた話しでは、どんな病気でも治してしまうラストエリクサーという薬があると言う事を聞いた。
更に族長はこう言った。
ラストエリクサーは大都市とかですら売ってをらず、自分でラストエリクサーの原料を集めなくてはいけなかった。
その原料と言うのが、真実の花の根、マンドラゴラ、竜の鱗、鳳凰の羽、聖水と金では買えないものばかり。
更にラストエリクサーは、どんな大魔道師でも生成する事は出来ず、創れるのは錬金術師だけだというのだ。
錬金術師はエルフの世界でも希少価値らしく、錬金術師を探すのに大分労力を削られたそうな。
そして、現在もっている材料はまだ聖水だけらしい。
「成程、病気の為に、伝説化してるラストエリクサーの原料を探す旅か、妹想いだね」
「はい・・・お願いします!妹を助けて下さい。お礼もします。だから・・・」
「まぁいいだろう。俺の目的の一部も入ってるみたいだしな。まずは先に真実の花の根を取りに行くぞ」
「あ、有難う御座います。この恩は必ず返します」
「応!期待しないで待ってるさ。それと、喋り方なんだが、敬語は止めてくれないか?出来れば遇った時の様な喋り方が俺としては好ましい」
「分かりました、じゃなくて分かったわ。しばらく厄介になるわ」
「よし、とっとと此処の山頂に行き真実の花の根を取ってこよう。問題はその他の原料なんだからな」
「分かってるわよ。それじゃ再び山頂に向けて出発ね」
そして、カノンらは再び山を登りだすのであった。
ところ変わって学園
「あ〜っ!やっぱり心配だよ〜」
シィナは図書館の机の上でだらけながら呟いた。
「それもう五回は聞いたわよ。彼と付き合えたのは分かったからノロケ話もいい加減にしてよ」
向かいの席の赤毛の女性が不機嫌そうに答える。彼女の名はリア、二つ上のシィナの姉である。