錬金術師カノンと五聖麗 14
(ナイフはもうない…となると素手で防壁だな!)
スッ…
カノンが算段しているとアセリアが急に横から出てきた。
「なっ!おい!作戦が違っ『黙って!!作戦変更よ!この剣のいい使い方が浮かんだの』」
そうゆうとアセリアは腰を下ろし居合の構えをとった。もうベリガルは目前まで迫っている。
「バカッ!居合程度で切れる相手じゃねぇぞ!」
カノンが言い終わった後に二度の爆発音が響きベリガルは胴から上下に分かれ吹きとんでいた。
「そうでも無いでしょ?」
アセリアは
爆発でボロボロになった鞘に刀をしまいながらカノンに微笑みかけた。予想外のアセリアの才能にさすがのカノンも苦笑いするしかない。
「なるほど、鞘ごと斬り爆発力を斬撃のスピードに加えたのか」
「どう?たいしたもんでしょう?」
「まぁな、エルフの力をまざまざと見せ付けられた感じだな」
「そうでもないわよ、貴方が剣に能力を付加させなければ私達はあれに敵う事はなかったでしょうね。取り敢えず礼は言うわ」
「なにお互い様さ」
そして、二人はお互いを称えがっちりと握手を交わした。
「あらためまして…セイントエルフのアセリアです。」
「俺はカノン…カノン・オルファリオだ。よろしく、アセリア…」
「ええ。よろしく、えっと…」
「カノンでいい。」
「そうですか、では…よろしくカノン。」
「しかし下りすぎたな。標高は…1500ってとこか…」
カノンは辺りを見回し、言った。
「そうね…それで、カノンは何故カオスゼクスに?」
「学校の追試でな…真実の花の根を採りに行くところだ。」
「追試?あんな芸当が出来るのに?物質に魔法で強化は出来ても普通は魔法じゃ剣に能力を持たせる事なんて出来ない筈よ。それなのに何で?ってそういえば貴方の能力についても聞いていなかったわよね?」
微妙に睨んだ視線と大半が興味津々な視線がカノンを射抜く。
「はぁ、教えるからその視線は止めい!取り敢えず俺がした能力は錬金術だよ。エルフの世界にはどう伝わってるかわからんけど、人間の世界ではかなりの希少価値なんだと。それと、俺が此処に追試に来たのは単純に学院での成績が悪いからだよ」