海で・・ 997
「変じゃないです…それが普通なんですよ…」
「そ…そうなの?…」
虚ろな表情の中で、恵さんは目を見開く…
「はい…誰だって感じればそんな気持ちになるんです…心と身体が離脱して、思うようにコントロール出来無くなる…まあ僕なんてしょっちゅうですよ;…」
人に言うのは恥ずかしい思いもあるけど、恵さんにはセックスの気持ちよさを感じてほしい。
そういう気持ちから正直に言った。
「あっ、んっ、やだ、ああ…」
愛撫を再開する僕、恵さんは小さく小刻みに喘ぐ。
「やだ」「嫌」というのは、拒絶ではなく、気持ちよさからやってくる絶頂への恐怖なのだろう。
それを導く為、僕はゆっくりと…そして今までやったことの無い程丁寧にソコを解きほぐす…
“快感”が“恐怖”を上回れば、きっと恵さんは何もかも忘れて僕に身を委ねてくれるだろうからな…
「いやぁ…ぃやぁ…そんなにされたらぁ…ぁ…ぃや…」
身体に力を込め、必死で抵抗する恵さん…
「大丈夫…僕を信じて……僕は恵さんのことが大好きだよ…」
「ああ…一馬くん、一馬くん…いや、あ、あっ、んっ!」
恵さんが身体をビクッと震わせ、僕を虚ろな瞳で見上げた。
年上、先輩なのにその表情は可愛らしい。
思わず顔を近づけそっと唇を奪った。
「ああ…すごかったよ…一馬くん、私、なんか変になっちゃったみたいで…」
「それでいいんです。恵さんに、ちゃんと気持ちいいセックスを知ってもらいたくて」
「こういうもんだったのね…成美が嵌まるのも分かる気がしてきた…」
成美かぁ…あの人はちょっと嵌まり過ぎではありますけどね;…
「まだ始まったばかりですよ恵さん…言ってみたら今は…入口に到達したぐらいの所です…」
「う、うん分かってる…一馬くんにもちゃんと…気持ちよくなって貰わなくちゃいけないのも…」