海で・・ 992
そう時間はかからずに、僕は松永先輩…いや、恵さんの目の前で裸になる。
「改めてみても、結構いい身体だと思う」
「自慢できるものなんてないですよ」
「一馬くんはやる気があったらなんでも出来ると思うよ。そうじゃなかったら今朝もジョギングしようと思わないでしょ」
「まあ…」
今はそれよりお風呂で汗を流しましょ、と恵さんは言い、自らのブラとパンティを取り去った。
恵さんは本当に僕のことを弟だと思っているんだろうか?…
こうも恥じらい無く裸になられると、それを意識している自分の方が情けなくもなる…
「どうしたの?…下も手伝って欲しい?…」
「あっ;いえ…;」
そんな訳にはいかないよね…
僕は慌ててジャージズボンを下ろし、パンツ姿を恵さんの前に晒した。
恵さんに出くわしたときから興奮していたソコは、衰えることなくパンツの上から主張していた。
恵さんはそれを見て手を口の前で押さえるが…
「一馬くんが恥ずかしそうにしてたのはそのせいなのね」
「すいません…」
「悪いことじゃないよ。男の子ってそういうものだって成美が言ってた。一馬くんだったら…私、乗り越えられる」
「乗り越え、って?」
「男子の水泳部に乗っ取られそうになったことあるでしょ…あの時、私、初めてだったのに…」
そうなのか…
あんな形で初めてを迎えてしまったなんて、気の毒で堪らない…
「すいません;…そんなこととは知らずに僕ったらこんなで;…」
両手でソレを押さえながら俯くしかない;…
「ううん隠さないで…私…正面からちゃんと立ち向かはないと、一生男性不信に陥りそうなのよ…」
恵さんは気丈に微笑んでみせる。
あの時そんなことになっていたなんて全く知らず、自分の力不足を今になって痛感する次第である。
「成美や栞が励ましてくれて、成美は大賀くんに私を…トラウマから救おうとしてくれたこともあったの…」
恵さんはしゃがみ込んで僕のソレを見上げる。