海で・・ 100
「よかった。がんばった甲斐があったね。」
「うん。どんな結果であろうと、もう悔いは無いさ。やることはやったからね。」
「あれれ?真帆と同じ学校に行けなくていいのぉ〜?」
木崎さんの口調はニヤけていた。
「ああ、そりゃーそれに越したことはないけど、どんな未来が待っていようが、ちゃんと受け止めなくちゃいけないと思うんだ。」
一馬はしっかりと真帆の瞳を見つめ言った。
「大丈夫。絶対合格する」
真帆は僕のほうを見て、確かな自信があるかのように言う。
「うん、そうだといいね」
「お二人さんはホントにお熱いですな…」
後ろで野上さんがしみじみと言いだす。
「私と一馬くんの愛の力だよ!」
「はっきりと言うんですね、それ」
木崎さんがそう言うと、みんな一緒に笑った。
2人とお茶をして行くという真帆と別れて、僕は早々に家に帰ってきた。
『どうだった?』と心配するお袋をよそに、『分かんねー』と愛想無く答え、そそくさと2階に上がった。
部屋に入ると、慌ててボクサーパンツ共々Gパンを下げ、自身を握り締める。
何日も睡眠時間を取っていなかった為に流石に疲れていたにも関わらず、股間は痛い程に勃起していたのだ。
疲れマラ・・
一馬の頭の中で、秀人が前に言っていた言葉が甦った。
何日も寝ていなかった反動が来たらしく。
一馬は急激な眠気に襲われて。
「うう、寝るか」
そのまま彼はベッドに倒れこみ、寝息をたてていた。
そのあどけない顔はまるで子供のようだった。
しかし剥き出しのままになっている股間は、射精することも忘れられ、そこだけがもう一馬は立派な大人になったことをまざまざと物語っていた。