海で・・ 962
それを聞いたあかりさんは背を向けて料理に集中…するが
「ありがとう一馬くん…いつも優しい言葉をかけてくれて。こんな私を家族と認めてくれる一馬くんの優しさが、私は大好きだよ…」
声が震えていた。
僕はリビングで朝食ができるのを待っていた。
「よぉ早いな…」
寝癖で髪の毛をボサボサにした父さんが下りてくる。
前髪を下ろした父さんって、とても40代の中年には見えほど若々しいよな…
「病院行くんだって?…」
そう言いながら父さんの股間に目をやると、明らかにそのスワェットには頂が出来ている。
父さんも朝勃ちかよ;…
男って、こんな歳になっても朝勃とかしちゃうもんなんですね…
「ああ、あかりの検診でな。こんな身体だから1人じゃ大変だろ、半休も取ったしな」
そんな父さんの言葉にあかりさんが微笑んでいる。
父さんの気遣いは母さんがいた頃から変わらないな。
朝食を済ませて制服を着て、2人より先に家を出る。
「一馬♩」
「ん?ああ、おはよう」
後ろから声をかけてきたのは初音だ。
初音に側に寄られると、つい胸元を見てしまう…
初音は結構デカイからね;…
「聞いたよぉ茜からぁ、西高演劇部の件、断ったんだって?…」
ああそのことか…僕はてっきりあの衣装部屋でのエッチを聞いたのかと思っちゃったよ;…
波打つ豊かな胸元に視線が行きつつ、昨日のことを思い出す。
「僕が茜にけしかけたわけじゃないし、僕が協力したわけでもない…全部茜が決めて告げただけだよ」
「それでも茜、一馬のおかげだって言ってたよ」
それなら嬉しいことだ。
「初音は演劇部のその話、何か知ってたの?」
「別に…でも茜、相当悩んでたからね。一馬が側にいてくれて良かったと思う」