海で・・ 961
何時もの如く朝勃ちと共に起床…
夕べ寝際にあんな声を聞いちゃったせいか、パンツは先走りでグショリ濡れていた;…
まあ夢精するよりかはマシだけど…
それでも慌てて脱ぎ確認する。
クンクンと鼻を近づけても臭いは無いし、これなら洗濯機に入れておいても平気だよね…
さすがに本物で汚れたパンツを、あかりさんに洗濯して貰うのは申し訳ないもんな…
着替えて1階に下り、洗濯機にまとめて服も下着も放り込んでからキッチンに向かう。
「一馬くん、おはよう」
「おはようございます」
あかりさんはいつもの笑顔。
心なしか嬉しそうに見えるのは久しぶりに身体の方でも満たされたからだろうか。
ということは、父さんは寝坊かな?…
「父さんはまだ寝てんの?…」
「今日は検診の日だから、半休取って貰ったのよ…」
お腹を摩りながらあかりさんは言う…
そうだよね…そんな大きなお腹だと、電車に載るのも大変だと思うよ…
そろそろあかりさんも出産準備のために入院する日も来るだろう。
そのときは父さんと2人…か。
まずはあかりさんが無事に帰ってきてくれるのを願うのみだ。
「入院も近いかもしれないから、一馬くんにはまた迷惑をかけるかもしれないけど」
「そんな、あかりさんの身体が一番心配ですよ」
「ありがと。一馬くんはいつも優しいから、助けてもらってばかりで…」
それを言うならこっちの方だ…
母さんを亡くした寂しさを余り感じに済んだのは、やっぱりあかりさんのお陰だと思う…
「そんなこと気にしないで下さいよ…家族が助け合うのは当然じゃない…」
「……家族って…?」
「当たり前じゃないですか…もう次期産まれてくる赤ちゃんとその母親は、僕の大切な家族に決まってるじゃないですか…」