PiPi's World 投稿小説

海で・・
官能リレー小説 - 年上

の最初へ
 95
 97
の最後へ

海で・・ 97


―部屋に戻ると、携帯が鳴っていた。
電話の相手は…『戸山秀人』

「おおっ!?秀人?」
急いで電話に出る。

『よう、久しぶり。元気か?』
電話の向こうの声は、日本にいたときと変わらなかった。

「こっちは変わりないけど、お前はどうよ」
『すっかり慣れたぜ?いい人ばかりでよ』
「英語は大丈夫か?」
『アヤさんの親父が結構こっちにいたせいなのか、日本語喋れるスタッフさんが多いんだよ。それで助かってる。まあ、俺も出来ないなりに勉強してるけどさ』
その話を聞いて、再びホッとする。

『ところでさ』
「うん」
『アヤさんから聞いたんだけどさ、ミキさんと真帆って、血の繋がった姉妹って、ホントなのか?』

「アヤさん…言っちゃったのか…」
『いや、アヤさんを責めないで欲しい。きっと一馬たちのためを思っているし、俺だって他の人に言う気なんてないし』
…僕は秀人の言うことを信じた。
確かに、チャラい外見で、よくは思われていなかった秀人だが、僕にとっては一番信頼できる親友だ。

『で、それって』
「ああ、本当だ。ミキさんと真帆は、血の繋がった、実の姉妹なんだ」


『そうか・・・』
秀人は低くそう言ったまま、押し黙った。

僕には秀人が言いたいことは痛い程よく分かった。
実の姉妹と・・
それもその事実を知らない2人を、騙すような形で身体の関係を続けている僕への批難・・・

そんなことは誰に言われなくても、僕自身、一番よく分かっていることだった。

最低な僕・・

それが分かっているのだろう・・秀人は何も批難がましいことは言わなかった。

暫しの沈黙の後、秀人がポツリと口を開いた・・・
『俺、カズxのxxと すxxだxから。。』

それは海外通話だからか、雑音混じりで、とても聞き取り難かったけど、僕にはその言葉はハッキリと理解できた。

僕は携帯を握り締め・・・肩を小さく震わせた。


「ありがとう、秀人」
『いや、礼を言われるまでもねーよ。一馬なら、ミキさんも真帆も幸せに出来ると思うよ…俺ができなかった分も』
「そうかな…」
『そんな弱気でどうする!ミキさんと真帆に本当のことを言うのはお前の使命なんだぞ?』
「そうだね…」
『いつやるの?今でしょ!…なんてね』
そのセリフはお前のいる国でも流行っているのか?なんてツッコミたくなるが、明るく励ましてくれる秀人が、今の僕にはすごく嬉しかった。

SNSでこの小説を紹介

年上の他のリレー小説

こちらから小説を探す