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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 948

「うん、ありがと!」
茜は沈んだような表情から、笑顔に戻って顔を上げ、僕に言う。
やっぱり笑ったほうが茜は可愛い。
暗い顔は見たくないから、何とか…

2人で瀬名の家に向かう…までもなかった。
「やあ、約束は守ってくれたんですね」
瀬名衛がこちらにやってきたからである。

「あ、どうも…」
茜の後ろから僕は声を掛ける…

「ん?‥君は…?」
衛は如何にも怪訝な顔をして眼鏡のフレームを押えた。

「あ、友達の鈴木一馬くん…こちらは西高演劇部部長の瀬名衛さん…」
茜が慌てて僕ら2人に互いを紹介する…

「ああ、朝も君に会ったねぇ」
「はぁ…」
なんだか値踏みされているような感じがする。

「君は一高演劇部の関係者かい?」
「いえ、そういうわけでは…」
「だったらなぜここに…話は我々と彼女の間で進めているのだから」

「あの、その話、断らせていただきます」
茜がきっぱりと言い放った。

「やっぱりそうきたか…これは君のさしがねかい?…」
きっと予想はしていたんだろう…瀬名衛は動じることなく僕を睨んできた。

「鈴木くんには関係ないです!彼はこの件については何も知らないんですから!」
僕を庇う茜の表情は燐としていた…
茜はこんな一面も持っていたんだな…なんて、こんな時になんだか感動してしまう…

「…君がそのつもりなら仕方ない。悪い話ではないと思ったのだが、残念だね」
衛は表情ひとつ変えずにそう言い、背を向けた。

「言っておくけど、僕はまだ諦めたわけではないから」
そのまま衛は立ち去っていく。

「茜…」
「これで良かったと思う…」

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