PiPi's World 投稿小説

海で・・
官能リレー小説 - 年上

の最初へ
 944
 946
の最後へ

海で・・ 946

当たり前、と言われても僕はまったくの素人だからわかるはずがない。

「瀬名譲ってのが、あいつのことなのか」
「いや、その息子だよ。あいつは瀬名衛」
「瀬名譲は…」
「有名な演出家だったっけな…テレビでもよく見るような」

ただの演劇部部長ってわけじゃなかったんだな。しかもサラブレッド。
そんな奴に見初められた茜も大した能力の持ち主だと思うが、本人はそれを望んでないってことなのかな…

「そんな瀬名衛が部長を務める西高演劇部と、一緒にやらないかって話しがあるんだろ?…」
「何でそのこと一馬が知ってんだよ?…まだ演劇部でもごく一部の人しか知らないことなんだぜ…」

そんなまだ誰にも知れ渡ってはいないことを、瑠璃子さんは僕に教えてくれたってことか…

「たまたま小耳に挟んだだけだよ…それより涼はどうなんだよ?…そんな奴らと一緒にやる気あんのかよ?…」

「まだわからない…瑠璃子さんと内田先生はそういう話をしているみたいだけど、それがいいのかどうか…」
涼は言葉を濁す。
これではまだ何も決まってはなさそうだ。

ふと女子の方に視線を移す。
真帆はいつも通り、それだけに茜が気になる。

考えてみると茜の脚本にはラブシーンがつきもんだったりするんだよな…
そういうシーンはやっぱり男が演じた方がいいんだろうけど、その相手役を真帆がやる可能性もあると思うと、僕も呑気にしてはいられないな…

「茜は嫌がってんだろ?…この話し、無かったことには出来ないのかな…」
もちろん茜のことは心配だけど、真帆のことも気になった。
擬似恋愛しているうちに、その気持ちが現実化したって話しはよく聞くもんな…

「それは僕が言っても…瑠璃子さんたちの判断だからな」
涼は茜のほうを見やりながら言う。
「一馬は察しがいいんだな、瀬名が一番欲しがってるのが木崎らしいんだ」
「マジか…」
「やり方は強引かもしれないけど、あいつにだって悪い話じゃないと思うんだ。でも、瑠璃子さんと話してたときも頑なに拒否してた。何がそんなに、って思うんだよな」

SNSでこの小説を紹介

年上の他のリレー小説

こちらから小説を探す