海で・・ 95
「…あとは、2人にいつ本当のことを言うかだな」
2人いっぺんに抱けたのだ。
もう何も恐れることはない。
そのときがいつやってくるかはわからないけど、僕の中ではひとつの決意が出来た。
…トイレを出て、僕は2人がいる部屋に戻る。
フローリングの床はさすがに冷たかった。
廊下突き当たりの姿見が僕の身体を写していた。
夏よりも多少は逞しくなった胸筋・・
腹筋は微かではあるが段差を見せている・・
ペニ○は相変わらずに皮を被ってはいるものの、多少は黒みがかってきたようにも思えた。
僕は変わったのだ・・
一馬はそう自分に言い聞かせると、鏡に向かい拳を構え、ジャブを打った。
部屋に戻る。
ドアを開けると、中は物音ひとつせず…
…それもそのはず。
激しい事のあとか、ミキさんも真帆もすぅすぅと寝息を立てていた。
「…そんなに激しかったかな?」
ちょっと苦笑したが、僕のベッドで仲良く並んで寝ている二人に、毛布をかけてやる。
「二人とも、大好きだよ」
そう言って、僕は一人、リビングに向かった。
いっぺんに二人の相手は、さすがにきつい。
炬燵に入ると、そのまま疲れがどっと押し寄せ、眠気に襲われ―
―日付が変わって。
日の出前、外は薄暗い。
そこで目が覚めた。
「…そのまま寝ちゃったか」
起き抜けの気だるさを感じながら、ゆっくりと身体を起こす…
と、そこに、階段を下りてくる足音が聞こえた。
「起きてたんだ」
ミキさんだった。
「おはよう、一馬くん…って、おはようには早いかな」
「そんなことはないかと」
部屋の電気をつける。
二人で温かい飲み物でも飲もうと、お湯を沸かす。