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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 939

いつもの茜とは明らかに様子が違う…
ただの軟派男にだったら、茜はこんな顔はしないだろうからな…

「あ、茜…、どうかした?…」
僕は勇気を振り絞って、二人の側に歩み寄る…

「ぁ…一馬くん…」
茜は今まで聞いたことの無いようなか細い声を発しながら僕を見た…

「おっと、お友達かな?じゃあ僕はこの辺で」
僕がやってくると、その男はあっさりと身を引き、スタスタ歩いていってしまった。

「誰だアイツ?」
見た感じ他校の制服だ。
背が高くてノンフレームの眼鏡姿。只者じゃなさそう。

「ありがと…一馬…」
茜が僕の手をそっと握ってくる。
「良いけど…さっきのは誰なんだ?」
「隣町の高校の演劇部の部長だよ…」

「演劇部の部長…?、何だってそんな奴が茜のところに来たんだよ…?」
小さくなるそいつの背中を見ながら、僕は眉をしかめた。

「元はといえば…私が悪いんだ…」
茜はそう言いながら僕の手を強く握ってくる…

「おい、そんな顔して…いったいアイツと何があったんだ?…」

フルフルと首を振りながら、震える声で言う茜。
それ以上聞くと彼女を余計に傷つけてしまいそうで、僕はそこで踏み止まった。

「私が好きなのは、一馬だけだもん…」
小声でそう言った茜の手を握ったまま、僕は学校に向かった。

ジンワリと手の平に汗をかいてしまう…
何があったか知らないけど、やっぱり茜も女の子なんだな…
普段見せたことのないこんな一面を僕だけに見せてくれて、なんだかちょっと嬉しくもなる…

「何かあるなら何時でも相談してくれな…僕に出来ることがあったら、何でもするからさ…」
正直な気持ちだった…
こういう茜もかわいいけど、やっぱり茜には元気でいて欲しいもんね…

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