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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 936

その場しのぎの嘘なんてすぐにばれるとはわかっているけど、今はただ父さんの味方をしたい気持ちになった。
きっと、父さんは紀美子さんと一緒にいたんだな…僕は咄嗟にそう思ったのだ。

制服から部屋着に着替えて再び1階に下りる。
あかりさんは夕食を作り終え、テーブルにそれが並べられている。
今日も美味しそうな料理だ。

あかりさんの表情をのぞき見ると、僕のほうを見て、ちょっと呆れながらも笑っていた。

きっと僕の嘘を見破ったんだね;…
僕はそう思いながらも、素知らぬ顔でテーブルに着く…
これ以上なんかすると、返って墓穴を掘ることになりそうだもんな;…

考えてみると久しぶりの三人の夕飯だ…
父さんは残業とか付き合いとか何とか言って、ここんとこずっと帰りが遅かったけど、きっと紀美子さんと会っていたのかもしれないよな;…

夕食を食べ終わると父さんは風呂場に向かう。
あかりさんは食器を洗い始めた。

「一馬くん」
「…ん?」
「ありがと…一馬くんらしいフォローだったね」
「いや…アレは…」
「お父さんも男だから仕方ないんだよね…私だけだったら絶対問い詰めてたところだった」

「あっ;はい…;」
下手なフォローでも、二人の役にたったのだったらよかったけど;…

「このお腹でしょ…最近はやってなかったから、お父さんも溜まっていたのよね…」
まあそれは仕方ないよね…父さんだってこんな身体のあかりさんを抱こうとは思わないだろうからな…

「なんだかすみません…あかりさんだって大変なのに…」

「ごめんね一馬くん、私の心配ばかりいつも…」
あかりさんはお腹をそっと撫でながらソファーに腰掛け微笑んだ。
「男も女も同じなのね」
「そうですね」

「お父さんには何も言わないよ。もうちょっと、この子が生まれてくるまで、頑張らなくちゃ」
そう言うあかりさんは、もう母親のようだった。

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