海で・・ 929
「何してもぉ?!…」
真帆の言葉を反復する声が、やけに大きく玄関ホールに響いてしまう;…
「やだぁ一馬くんったらぁあ〜…、そういう意味じゃ無いよぉお…」
「何だそうなの?…」
「ふふふ、何がっかりした顔してんのよ。」
「別に…そんなことないよ…」
そりゃ、何しても良いって言われたら男はいろいろよからぬことまで妄想するのが悲しい性じゃないか…
「一馬くんだから言えるんだよ」
「ホントに?」
真帆ははっきりと頷く。
「だから、早く部屋に行こ…」
「分かった分かったぁ…だから約束通り何でもヤラセてくれよ…」
「もぉ〜そんな約束してぇないよぉ〜!」
頬を膨らます真帆に追い掛けられるようにして2階に上がる。
久しぶりの真帆の部屋…
ここでヤルのも凄い久しぶりだよな…
あの頃と変わらない、パステルカラーの壁紙、ベッドのそばに置かれたぬいぐるみ、綺麗に片付けられた部屋。
何もかもが懐かしく思えて。
「一馬くん」
最愛の彼女は相変わらず、いや、以前にも増して可愛くなった。
「真帆」
邪な欲望を抱くのは間違いかもしれない。
でも、今は我慢できなかった。
真帆をベッドの上に押し倒し、こちらから唇を強引に奪う。
それに抵抗する様子は微塵もなく、真帆も僕を抱き寄せ求めてきた。
舌を絡め合わせながら、手探りで真帆の服を脱がしていく…
こうやっていろんな女の子の服を脱がしてきたけど、やっぱり今日もブラのホックには手間取ってしまう。
「クスゥ…そんに焦ること無いよ…」
口を離した真帆の唇は、熟れた果実のように輝いて見えた。