海で・・ 881
「ふふっ、せっかく出されたものなのだから、食べないと勿体無いじゃない」
「だけど…」
「じゃあ私たちも頂こうかしら?」
ミキさんが園田さんを促そうとする。
「うーん…私たちが食べるとどうなるんです?」
園田さんは皿に盛られたそれを見て首を傾げる。
「きっと素敵なことが訪れるんじゃない?…」
ちょっとミキさん;…
一体何が来るって言うんですかぁ;…
「それじゃ頂いちゃいますかぁ〜!」
園田さん…;
もしかして良からぬことを期待してたりしませんよね;?…
「思ったよりも美味しいかもですね」
「あ、そうねぇ」
ミキさん共々料理を味わう。
…この後どうなっても知らないですよ…とは言えるはずもなく、僕もこの勢いで…
そういえばミキさんはあの時は食べてなかったっけ。
…というわけで差し出されたメニューも3人で平らげてしまう。
もちろんすぐに何かが起こるわけがない。
「なんか余り変わらないんじゃない?…」
それゃそうですよ…そんな即効性があるもんでも無いし;
「でもなんだか、元気が出てきた気がしますよぉ!」
多分気のせいだと思いますけど、園田さんが笑顔になってくれて安心するよ。
「そうね、一馬くんはどう?…」
“どう?…”と聞かれても困っちゃいますよ;…
元々こういうもんって、男に働き掛けるもんですからね;…
「いえ、そんな、すぐには…」
あの時だって効果が現れるには少し時間がかかったような気がした。
別に身体がどうとか今は感じない。
食器が片付けられ、満腹になりベッドに寝転がる。
「一馬くん、シャワーどうする?」
「えっ、2人が先でも…」