海で・・ 878
あっ;いいんだ…
まあせっかく三人になったんだし、それはそれで楽しいだろうけど…
チラッとミキさんを見る…
ミキさんは鞄から早速服を出し、クローゼットに掛けている…
なんだよミキさん…僕との約束…忘れちゃったのかよ…
ミキさんはチラッと僕のほうを向き、隣に腰掛けて僕の鼻の頭を指で突く。
「一馬くん、元気出して」
「ミキさん…」
「私、忘れてるわけじゃないから…戻ってからでも時間作るよ」
「はい…」
ミキさんに余計な心配かけさせたのが申し訳ない。
隣では園田さんがベッドに横になっている。
何も知らないなんだから仕方ないんだけど、そんな無防備にされるとなんだか恨めしくもなってしまう。
なんたって僕はこの日の為に、ここ何日も抜くのを我慢してきたんだからね;…
「どうしたの?…納得いかないって顔してない?…」
そう言ってミキさんは僕の尻を撫でてくる…
「そ、そんなことない…」
不満な気持ちがまったくないわけではないけど、ミキさんにそんな顔は見せたくなかった。
「ここじゃなくても…」
ミキさんは僕の耳元で囁くように言う。
「ミキさん…」
「私も、一馬くんと気持ちは一緒だと思う」
そう言ってもらえるだけでもう充分だった…
そりゃあミキさんのその気持ちは嬉しいけど、園田さんを1人残して別の部屋に移動するのも何だし、増しては寝静まるのを待つなんて園田さんに申し訳なさ過ぎるからね…
「すみません;…僕は大丈夫ですよ。今日は3人で楽しみましょう…」
子供染みた態度を出してしまったことがなんだか恥ずかしくなる;…