海で・・ 870
うぇ?!…ま、まさかそれって;…
僕は恐る恐る聞く…
「藤堂先生があかりさんと関係を持ったのって…いつ頃なんですか?…」
「ああ…調度鈴木たちが入学してから暫く経ってからだ…」
嫌な予感は的中する…
あかりさんが身篭った時期と重なるってことかよ…
まあそれって、僕とあかりさんが関係してしまったのとも同時期でもあるんだけど;…
…思い出してみる。
妊娠がわかったとき、あかりさんは嬉しそうだったけど、どこか複雑な、曇った表情をしていた気がした。
あの時は僕とヤってできてしまったのではと焦ったけど、まさか藤堂先生が…?
もっとも、父さんとは毎日のように致していたから…
女の人ってこういう場合、誰が父親だか分かるもんなんだろうか?…
保健の授業では、女性には出来やすい日があるって習ったけど、同んなじ日に父さんもやっていたとしたら、藤堂先生と父さんのどっちの精子が到達したかなんか、分からないんじゃないかな?…
「その…一馬くんのお母さんになる方のお腹の子は…藤堂先生のお子さんってことなんですか…?」
そう言いながら、園田さんは涙を流した。
「それは知らない…彼女とは会っていないし、妹さんも何も話さないし…」
藤堂先生は首を横に振り俯いた。
仮に今あかりさんにそれを尋ねたとして、本当のことを教えてくれるだろうか?
そもそも合意の上なのか、無理矢理だったのかですらよくわからない状況で、話をするのもどうかと思う。
…それとみゆきさんは、あかりさんが藤堂先生にやられたことを知って家にやってきたのか?
「やっぱりアンタって最低な男だった訳ね…瑠璃ばかりじゃなく一馬のお母さんになる人にまでそんなことして…、爽やかそうなその仮面の下には、とんだエロ教師が存在していたってことよね…」
藤堂先生に向かい、成美が吐き捨てるように言う…
確かに僕もそう思ってしまう…
植田先輩の話しを聞いている時にはどこか藤堂先生寄りに話しは聞けんだけど、それがあかりさんのこととなると、そういう訳にはいかない…