PiPi's World 投稿小説

海で・・
官能リレー小説 - 年上

の最初へ
 865
 867
の最後へ

海で・・ 867

僕は思わず成美のほうを振り向いた。
園田さんも一転、心配そうな視線を見せる。
ミキさんは相変わらず泰然としていて、藤堂先生は一瞬ハッとした表情を見せた後…

「…すべて話さないといけないことだな」

「瑠璃とあなたは、そういう関係にあったということですよね?」
「…それは、間違いないことだな」

藤堂先生は成美の顔を見てはっきりと言う…
それは今までの力無い声ではなく、どこか前の先生に戻ったかのようだった…

「それって…瑠璃先輩と…恋人関係にあったってこと…?」
声がか細くなったのはむしろ園田さんの方だ…
どこかその瞳も潤んで見える…

園田さんが、藤堂先生のことを好きなのは僕にでもわかった。
両手を胸の前で合わせ、何か祈るような仕草をしている園田さん。

「彼女がそういう思いを抱いてくれているのはありがたかった…でも、僕は…」
「植田さんとは、踏み込んだ関係に?」
ミキさんは淡々と尋ねる。

「ああ…間違いないよ」

「やっぱり…、瑠璃は真剣にアンタを慕っていた…私と違って軽々しくそういうことをする子ではないのに…」
成美の口調は強かった。話しながら拳を握りしめている。

「ああそれは分かった…彼女は初めてだったからね…」
藤堂先生はつらそうに表情を曇らせる。

僕だって、何人かの女の子たちの初めての体験を手助けしているだけに、他人事では無い気がした…

「結果として彼女を裏切ってしまったことになる…それは非常に申し訳なく思っているよ」
「うわべだけの謝罪なら誰だってできるよ…瑠璃はそれでショックを受けて…」

…瑠璃子さんが未だに藤堂先生のことを引きずっているとは、僕は思ってはいない。
最近は涼といい関係になっていて、楽しそうな表情なのは何度か見ていた。

SNSでこの小説を紹介

年上の他のリレー小説

こちらから小説を探す