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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 856

その鍛えられた逞しい背中を見送りながら、僕はぼんやりと考えてしまう…
もし徹があんなにイケてなかったら、こんな苛めに合うことは無かったかもしれない…?
しかもこの学校の男子は日頃から女子に虐げられているから、その鬱憤が徹に向かったのかもしれない…

「あんなこと言っちゃったけど…小野寺くん、大丈夫かしらね?…」
練習が終わり戻って来たミキさんも徹の背中を見詰めながら言う…

「わかりません…でも、行かなきゃいけないって言うもんだから止めようにも…」
「辛そうな顔だった…なんとかしてあげたいけど…」
ミキさんも心配そうな表情で言う。

「…やっぱり、彼、悩んでんだよね」
「成美…」
プールから上がった成美が僕らのところにやってきた。

「成美ちゃんにも分かったの?…」
「そりゃああんなに激しい徹初めてだから…何か変だと思ったのよね…」
あっ;ッ徹とは今日が初めてって訳じゃなかったんですね;

「なんか特待生って思った以上に大変だよな…例えば怪我とかで徹がバレーを出来なくなったら、本当に退学になるんですか?」
僕はちょっとムキになって2人に聞いてしまう…

「…私もそういった例は聞いたことないから」
ミキさんはそう前置きしつつも
「大人の事情…本当の理由はひた隠して、自主退学という形をとる、過去にはそんなこともあったというわ」
…正直納得行かない。いくわけがない。

「もちろん本人に非がないのなら、その補償はきちんとする。被害を被った子には申し訳ないかもしれないけどね」
「そんなのってないですよね…」
「一馬だってそう思うよね…」
成美の声もトーンが低い。

「もし小野寺くんがそんなことになったら、私は黙ってはいないつもりよ。」
ミキさんは夕日を背に拳を握り絞めた。

「中原先生!!」
成美はそんなミキさんに飛びつき、喜びを身体いっぱいで表現する。

「水を刺すようで悪いんですけど…そんなこと本当に出来るんですか?…」
結構僕って現実的なのかもしれないよな…

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