海で・・ 847
「ありがとうございます!」
園田さんが笑顔になり、頭を下げる。
「園田さんも力を貸してね」
「はい!」
「週末の集合場所は後で決めましょ。とりあえず今はみんなに合流してトレーニングしてね」
園田さんは笑顔でプールに向かう。
「心強い味方が出来たわね」
「はい」
力強く返事をしたものの、ミキさんとの夜を考えるといささか複雑だ。
園田さんまで泊まることになったら、久しぶりのミキさんとの夜の営みは、お預けになるだろからな…
僕の中での名古屋行きは、藤堂先生とのことよりもすっかりとソレが目的となっていたからね;…
「どうしたの?…浮かない顔して…」
「い、いえ…ただちょっと残念だな…って思っちゃって…」
それはミキさんには言えないな…ココは男としてグッと堪えて週末も我慢しなければならないと思う…
「私は、別にいいけどね」
「…何がですか」
「たとえ人数が増えても…泊まるのをどうするかは園田さんに任せればイイことだし」
「でも…」
「それに、彼女も、男を知りたそうな顔をしてたわ」
「…いえ、それは」
その役目を僕が担う訳には流石にいかないよな“…
やっぱり翔か彰人でも誘うべきなんでしょうかね;…
「彼女はかなり藤堂先生に真剣だは…こうなったらちゃんと仲を取り持って上げましょうよ…「
あっ“…そう言うことだったんですか;…
園田さんのあの表情は、藤堂先生に戻ってきて欲しい、ということだけじゃなくて自分の思いを告白して…ってのもあるんだな。素晴らしい決断だと思う。
「ミキさんは、ないんですか?」
「何が?」
「藤堂先生に…そういった感情が」
「ふふっ…今は一馬くんがいるじゃない」
そう言ってミキさんは僕に近寄り、そっと頬にキスをした。