海で・・ 846
水着姿の園田さんは、制服を着ている時よりもずっと可愛いらしかった。
当然僕は、その胸の谷間に吸い寄せられるように見てしまう;
「あらどうしたの?…皆はもうプールサイドに集まっているんじゃない?…」
「あ、はい…ちょっと2人の会話が聞こえちゃったもんですから…」
「話、聞いてたんだ…」
「ごめんね。名古屋に行くとか、中原先生と鈴木くんの話が聞こえたから…」
園田さんは胸の前に手を置いて僕とミキさんを交互に見つめる。
「藤堂先生の話、ですよね」
「知ってたの?」
「すいません…でも私…藤堂先生のこと、好きですから…」
たどたどしくではあるが、園田さんは僕とモキさんに向かってはっきりと言う。
「そうね…藤堂先生は皆から好かれていたものね…」
そう言った意味からすれば、男子からも兄貴のように慕われていたもんな。
「迎えに行ってくださるんですか?…」
園田さんの目は真剣だった。
「ああ、出来ればこの学校に戻って欲しいと思ってんだ…」
園田さんは真剣な眼差しで僕とミキさんを見つめる。
「それなら、私も、一緒に行かせてもらえませんか?私も藤堂先生に今の気持ちを伝えたいんです」
「園田さん…」
想像した以上に彼女は本気だった。
決意の表れたその姿を見たら、断ることなんて出来ない。
それより、園田さんは心強く思えた。
「もちろんそうしてくれれば有り難いよ…いいですよね?」
僕はミキさんの顔を覗き見る。
「そうね…貴女が一緒に行ってくれれば、藤堂先生の心も動くかもしれないはね…」
確かにそうだ…
一人でも多い方が、説得力はあるもんな…