海で・・ 843
「恵ちゃん、来たなら鍵あげようか」
「ありがとうございます」
ミキさんが松永先輩に更衣室の鍵を渡す。
「鍵、ですか」
「一応こっちで管理してるからね」
僕とミキさんのやりとりを松永先輩が不思議そうに見つめる。
「ああ…あん…」
「成美…」
松永先輩も気付いてしまったようだ。
「なるほど…そおゆーことかぁ‥」
松永先輩は何に納得したのかニヤリと頬を上げる。
「な、なんなんですかぁ?…」
「…そりゃあ分かりますよぉねぇ〜」
松永先輩はミキさんと顔を見合わせクスリと笑う…
な、なんで2人とも…僕の股間を見ているんですかぁ;
「ふふっ、男の子だもんね」
「恵ちゃんもわかったのね」
ミキさんも松永先輩も優しい笑みを浮かべて僕を見つめる。
…なんか怖い。
「行きましょうか」
「ええ」
「えっ、あの…」
2人がそろって歩き出す…僕と手をつないで、身体も密着させようとしながら…
これじゃあ隠すこともできない;…
それでも僕は、なるったけ前屈みになりながら、極力ソコが目立たないよう努める;…
「やだぁ、これじゃ犯罪者を連行する刑事みたいじゃないぃ…」
犯罪者って;…酷いじゃないですか;
「アソコを大きくさせた犯罪者?…何の罪だか想像はつくはねぇ…」
ミキさんまで何を言い出すんですかぁ;
言ってることはさておき、ミキさんも松永先輩もなんだか楽しそうだ。
連行されてる状態の僕はそうはなれませんがね。
「ああっ!イク、イク〜っ!!!」
離れているのに、成美の声はしっかりと届いていた。
「もう…成美ったらぁ…」
「成美ちゃんはお盛んねぇ」
松永先輩は頬を赤らめ、ミキさんはしょうがないといった風に微笑む。