海で・・ 828
「私も少しは大人になったってことかな?…、今頃になって失ったものの大きさに気づいたんだ…」
薄く微笑みながら身体を寄せつけてくる唯…その手は僕の股間に触れていた。
「失ったものってこっちかよ;…」
僕は半ば呆れる。
「違うよぉ〜、それだったら徹にも付いてるし…」
はいはい;…あの長身ですから、さぞかしモノもデカイんでしょうね;…
「ごめん一馬、私、やっぱり一馬のこと好きなんだ…」
唯は僕に抱きつきながら、股間に手を伸ばしさすりながら言った。
「唯…?」
「私って軽い女だよね…一馬にも嫌われたって仕方ないよね…」
「バカ、誰も嫌ってなんていないだろ…」
「それじゃあまた1からやり直してくれる?…」
ベルトが外され、チャックが下ろされる…
「それは構わないけど、小野寺徹とはどうするんだよ?…」
話したこともない男だけど、学校の優待生と厄介なことになるのは御免だからな…
「一馬は心配しないでいいよ。徹とは、私から蹴りをつける」
蹴りって、もう別れるってこと?早すぎないか?
「そんなんで大丈夫かよ」
「大丈夫、だよ…私、修羅場は大体乗り越えてきたから」
修羅場って…コイツは過去にどんな男と付き合ってきたんだ…
「ただ、徹と切っちゃうと、ママに何言われるかわかんないけどね」
「ママ?」
「うん…一馬には内緒にしておこうと思ったけど…この学校の校長…」
「うぇっ?!…だって苗字違うじゃん!」
「ママとパパは離婚してるから、ママは元の苗字に戻ったんだよぉ。…」
「うぇっ;…それじゃ唯は…お嬢様かよ?…」
「ぜんぜん…ママは金持ちだけどパパは超貧乏って訳よぉ〜」
こうみえてコイツ、結構苦労してんのか?…