海で・・ 815
歩美さんは優しく、柔らかな笑みを浮かべてこちらを見る。
「身体も、顔立ちも、目に見えて逞しくなってる…それより、一番は精神的に男らしく、大人になってるってところかな」
「そう、見えますかね?」
「自分に自信を持って…一馬くん」
歩美さんは僕に近づき、頬を掌でそっと撫でた。
「歩美さんにそう言ってもらえると、なんだか嬉しいです…」
僕は照れながらもその手を握りしめ、歩美さんと見つ合う…
そしてそれが当然のように顔を近づけ、歩美さんの唇に自分の唇を重ねた。
歩美さんは驚いたり、身を固くすることはなかった。
まるでそれを僕がするのを待っていたかのように、背中に腕を回してきた…
どちらから、意識していないのに、自然と舌を絡める深いキスに移行していた。
身体はより密着し、歩美さんの身体の温かさ、心地よさを感じる。
そのまま押し倒したい気すらあったが、何とかして食い止めた。
「ふふっ、そのまましてもよかったのに」
「今はみんな授業中なので…あの時は、放課後で…」
「誰も来ないと思うよ…鍵もかけちゃおうか」
それって、誘われているって思っていいんですよね?…
「だけど…自粛してるって…?」
「本当に自粛はしているのよ…だけど一馬くんは…と・く・べ・つ・ぅ…」
カチャと鍵の掛かる音と共に、歩美さんは白衣を床に落とした…
白衣の下には、淡いピンク色の下着…
その姿に思わずゴクリと生唾を飲み込む音を立ててしまう。
「歩美さん…」
「あの時からずっと思ってた…一馬くんは特別な存在だって…美貴ちゃんがいるから、出しゃばることなんてしないけど…」