海で・・ 808
“ご飯は適当に”と言っておきながら、キッチンに行くと朝飯とは思えないご馳走がラップに掛かっていた。
昨日は連絡するのが遅くなったから、既に夕飯の準備は済んでいたんだろう…
朝飯は唯さんので済ましてきたけれど、やっぱりあかりさんが準備してくれた飯を食べないのは申し訳なく、僕は頑張ってそれらを完食する。
少し苦しかったけど、何とか完食することができた。
…朝早い時間にこれだけ食べたら、もう今日はお昼はいらないなぁ。
しかし…
『いつもごめんね』
あかりさんの書置きの、この一文が非常に気になった。
あかりさんと一緒に暮らすようになってはや数ヶ月、もうあかりさんは僕にとって実の母親、というか、姉のような存在になっていた。
こんな他人行儀に誤られると、こっちまで恐縮してしまうよな…
まあ確かにあかりさんには驚かされることは一杯あるけど、何も謝られることは特には無い…
敢えて文句を言うとすればあかりさんの“夜の声”なんだけど、それもあかりさんだけの責任じゃなく、父さんだって悪いんだしね;…
それにそれだって迷惑と思いながらも、お世話になっていない訳では無いからな;…
あかりさんには父さんとの子供がお腹の中にいて、僕にも兄弟ができる。
家族が増えるんだから、もっとしっかりしないといけないのはこっちかもね。
食べ終えて食器を軽く洗って、僕は2階の自分の部屋に向かう。
あかりさんが帰ってくるまではゆっくりしていよう…
まあ1、2時間目の授業は朝っぱらから体育だし、フケル奴は多いだろうからね;…
皺になるといけないので、制服を脱いでベッドにダイブする。
気がつくと部屋着は着替えてきたものの、パンツは秀人に借りたままだった…
今度返しにいかなくちゃな…
そう呟きながら、その布地の膨らみをそっと撫でる…