海で・・ 767
綺麗な人かぁ…
「それなら遥ちゃんがお風呂に入っている間だけ、ちょっとだけお願いしてみようかな…」
「そんな急ぐことありませんよぉ〜、せっかくなんだからゆっくり楽しんで下さいね」
遥ちゃんは備え付けの電話から受話器を持ち上げる。
「あ、いいのかな?…家族でも無い僕がそんなことして?…」
「一馬さんは秀人さんのお友達だし、彩姉や優姉とも交流があるから、もう家族みたいなものですよ!」
遥ちゃんはニコッと笑って僕に向かって言う。
その言葉、何より嬉しいことだよ。
「じゃあ、後はゆっくりお楽しみを!」
「ああ…このまま遥ちゃんの部屋使っちゃっていいのかなぁ?」
遥ちゃんは返事の代わりにニッコリと微笑み、部屋を出ていった…
「おいおい;別に悪いことする訳じゃないんだから;…マッサージだよマッサージ…ただのマッサージなんだからさぁ−;」
僕は自分を言い聞かせるように、1人、声を出してしまう…
とはいえ、美人と聞いてそれをどこか期待してしまっている自分がいるのは確かだった;
どうしてもマッサージという言葉に裏に、淫靡で厭らしい行為を想像してしまうのだ;…
ここは秀人が住む家だ。
その秀人が持っていた中のAVのコレクション…美人のマッサージ師の人といい関係になってやっちゃう、ってのがあったなぁ…秀人と2人で興奮したのを思い出す…
ベッドに寝転がってその人の到着を待つ。
彼女は秀人にもマッサージしたのかなぁ。アイツ、仕事は激務だろうからお世話になったんじゃないかなぁ。
コンコン
「はい、開いてますよ」
「あっ、君が一馬くんね?」
「はい」
ドアが開く。
現れたのは、予想通りの可愛らしい女性…
「初めまして。板野愛美です。よろしくね」
もう覚えてはいないけど、昔AVで観たあのマッサージ嬢とこの女性が重なって見えてしまう…
「す、すいません;…この家の者でも無いのにお呼び立てしてしまって;…」
僕は顔が熱くなるのを感じた…
「秀人くんの幼なじみですって?…それなら大歓迎だはぁよ〜」