海で・・ 748
「はいはい〜、一馬くん、秀人、晩御飯できたわよ〜」
そこにいいタイミングでアヤさんが僕らを呼ぶ声が。
「おおー、今日もいい匂いがするじゃないか〜」
秀人の言うとおりだ。
毎日さぞいいもの食べてるんだろうなぁ、うらやましい。
その匂いの方へと向かう途中、萌ちゃんが秀人に寄り添ってくる。
確かに秀人はイケメンだし、小学生の女の子が憧れるのもよく分かる。
僕だって自分が小学生の時にこんなカッコイイお兄ちゃんがいたら、皆に自慢できるとも思うもんな…
それでも遥ちゃんが僕の小学生時代と大きく違うのは…あのとても小学生には見えない成熟した身体だよな;…
もし僕があんな身体で迫られでもしたら、自制心をキープできるか…自信は無いよ;…
「ふぅ…大変だったよ」
「ご苦労様だったな、遥」
秀人が遥ちゃんの肩をポンポンと叩く。
なんかますますいいお兄ちゃんに見えるじゃないか。
「適当に座ってよ」
アヤさんがお皿に料理を盛りつけながら言う。
「これで全員なんです?」
「あ、あと一人いたわね」
…?
唯さんは仕事で帰りが遅いだろうし、誰かいたっけな…
「ごめんね彩、全部任せきりにしちゃって!」
そこに姿を現す一人の女性。
…なんかアヤさんにそっくり、双子じゃないよね?
「あら、貴方が噂の一馬くんね?」
「は、はい!?」
「初めまして!小島薫よ、よろしくね」
…??
「私たちのお母さんだよ〜」
優ちゃんがフォローを入れてくれる…
げっ!…皆の母親にしては若過ぎる…萌ちゃんの母親だと言われても耳を疑いそうだもんね;…
「あのぉ…お母さんじゃなくて…お姉さんの間違いじゃ?…」
「あらまあぁぁ嬉しいこと言ってくれるだことぉ!噂以上に可愛い子だぁはぁ〜!」
そう言って薫さんは、僕を抱きしめてきた;…
「あ、あの、ちょっと痛いです…」
さすが美人姉妹の母、その身体も見事なもので…このまま密着され続けられたら大変なことになっちゃいますよ…
「どうやら一馬も気に入られたみたいだな」
秀人がニヤリと笑う。