海で・・ 745
「そんじゃこの普通のパンツ借りっかな…」
引き出しの奥から、僕も穿いてるような如く普通なボクサーパンツを手に取る。
「ん…いいけど、それ新品じゃないぞ…」
「洗濯してあんなら構わないさ、別に変な病気持ってる訳じゃ無いだろ?…」
「だからぁあ、さっき言っただろ…俺はここ暫く、彩以外の女とは寝ていねーってぇ!」
その相手のアヤさんが秀人以外の男と寝てんだから、病気になる可能性は無いとは限らないだけどね;…
でもアヤさんのことだから、心配しすぎのような気もするな。
Tシャツとジャージも適当に借りて着る。
脱いだもの(制服だが)はリビングに戻ると直さんが回収して洗濯機に放り込む。
どうやら直さんが洗濯担当らしい。
ゆっくり寛ごうとする秀人に萌ちゃんが近寄る。
萌ちゃんは本当に秀人が大好きなんだなぁ。
幸いにも遥ちゃんはアヤさんに捕まっているらしく、台所から出ては来なかった。
僕はファッション雑誌を広げている舞ちゃんの横に座る。
「舞ちゃんはおとなしいんだね…」
何気に話し掛ける…
「はい…家の姉妹は、アヤ姉や遥、萌みたいなタイプと、唯姉や優姉、そして私みたいなタイプに二分されるんですよね…」
なんか物憂な表情の舞ちゃん。
その顔は実年齢より大人に見える。成長著しい身体も含めてだが。
アヤさんのような活発なタイプと、優ちゃんのような控えめなタイプってことかなぁ。
唯さんが控えめの方ってのはちょっと意外なような気がした。
「舞、私はどっちなのよ」
「直姉はハイブリッドかな」
「どういうことなの…」
「上手いこと言うはぁねぇ…、それで一馬くんはどっちがタイプな訳ぇ?」
そう言いながら肩に触れてくる直さん…その指が僕のうなじをなぞった…
「あ;…タイプってのは得に無いですよ…まだまだ勉強中ですから;」
直さんの触手にゾクゾクしながら、僕は照れながら応えた。