海で・・ 75
「ありがとうございました」
勉強が終わると、一馬は二人に向かい深々と頭を下げた。
「これで少しは希望が持てたはね。後はF高の過去問を毎日解いていくのよ。」
美貴はすっかり教師の口調だった。
「よかったね一馬くん。美貴さん教え方上手いでしょ?
真帆は今からF高で美貴さんに教わるのが楽しみなぁのぉ〜」
「あら、真帆ちゃんだって油断しちゃ駄目よ〜。受験に絶対は無いんだからぁ〜」
「ホントだぁ〜油断禁物だね〜」
「そうよ。二人ともがんばるのよ」
美貴は真帆の肩を抱き、その身体に真帆がクスクスと笑いながら凭れた。
それは仲の良い姉妹にしか見えず、一馬の心は仄んのりと暖かくなった。
美貴と真帆は一馬のベッドに座り、じゃれ合うような仕草をする。
そのとき…
美貴の服は胸元が開いて谷間が見えてしまう。
一方の真帆は短いスカートからパンティが見え隠れしていた。
それを見て、一馬の股間は反応してしまう。
「(やべ・・)」
一馬は顔を赤らめ、視線を反らす。
勉強机に置かれた携帯が緑に点滅していた。
股間の昂りを2人に気づかれないように、一馬は携帯を開いた。
「(親父から?・・)」
『雪が凄くて帰れそうもないから、今夜はこっちに泊まっていくな。」
「(雪?・・)」
一馬は窓の外に目をやる・・
「うわ!」
外一面は雪国のような銀世界だった。
「どうしたの?」
一馬の後ろから真帆が窓を覗き込む。
「わっ、すごい雪!」
子供のような声をあげる真帆。
「うちの親も今日は帰って来ないみたいだ」
そう一馬が言うと、美貴と真帆は顔を合わせてニヤリと笑う。
「じゃあ、私たちも泊まっちゃおうか?」
「そうですね!」
久しぶりに見る雪に、僕らは確かに興奮していた。
庭に出ると、雪玉を投げ合い、服は冷たく濡れていった。
「寒ぅい〜心底冷えちゃったぁ〜」
「このままじゃ、風邪ひいちゃうわね。」
「風呂入ってください。僕は後で・・」
「わぁ〜い!お風呂お風呂!」
「嬉しいはぁ!入りましょ!」
「え?@@ちょ、ちょっと!?・・」
僕は両脇から真帆と美貴さんに腕を組まれ、そのまま風呂場へと引きずられていった。