海で・・ 737
ニコッと微笑むアヤさんは、“チュッ”と唇を重ねてきた…
全く貴女って人は;…秀人に見られたらどうするんですか;…
「あの海で…秀人じゃなくて一馬くんを選んでいたら…また運命も変わっていたのかしら?…」
「ダメですよアヤさん;…人生に“もしも”なんてありませんから;…」
「でも…私は本気で考えたことあったよ。一馬くんも素敵な男の子だから…」
「それは…そう言われるのは嬉しいですけど」
アヤさんは僕に身を預け、しなだれかかる。
ウェーブのかかった綺麗な髪が頬にまとわりつき、緩い服の襟から豊満な胸の谷間が見える。
「アヤさん…」
「一馬くんは、私のこと、どう思ってた?」
潤んだ瞳で見上げてくるアヤさん…
貴女って人は、ほんと罪な人ですよ;…
「それゃあアヤさんにミキさん…どちらを選んでも甲乙つけがたい美人でしたから…」
「私たちだって一緒だったよぉ…秀人と一馬くん…2人とも凄っく可愛いかったもの…」
「可愛いですかぁ?…僕らは男なんですから、カッコイイって言って下さいよぉ〜」
「ふふふ、私たちから見たら可愛い男の子だよ、これからそれがかっこいいに変わる時期だよね」
アヤさんはクスッと笑う。
「じゃあ、今の僕は…」
「そうね、かっこいい…になりかけの段階ね」
優しく微笑むアヤさん。
膝に置かれた手が内股を這ってくる…
「それゃあ去年の夏から比べると、いろんな経験しましたからね…」
僕は胸の谷間を盗み見ながら、鼻の頭をポリッと掻いた。
「いろんな経験って…どんな経験?…」
股間に到達したアヤさんの触手は、ソノ位置を確認するかのように優しく動く…