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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 72

「はい。同じF高目指しているんで、入学できれば美貴さんとも一緒ですね。」
真帆は頬を微かに高揚させ美貴を見た。

「それは楽しみだは。彼氏君と同じ高校だなんて、楽しい高校生活が送れそうよね。」
「はい・・でも・・」
「ん?どうかしたの?」
「彼・・まだF高の合格圏内に届いてなくて・・」
「そう・・それは心配だはね・・」
「それで、よかったらなんですけど・・」
「何?」
「週末、彼の家で一緒勉強するんですけど、美貴さんにみてもらえないかなって・・」

真帆は愛くるしいまでの黒目がちな瞳を開き、美貴に『オネガイ』と小さく言った。


「うーん…出来なくはないけど…」
「美貴さんに教えてもらったら、きっと成績も上がるし、合格できると思います!」
「そうなのかな〜」
「絶対そうですよ!」

真帆にここまでお願いされては、断れない。
「(そういえば一馬くんもF高志望よね…真帆ちゃんの彼ってもしかして…そしたら、きっと一馬くんが逞しくなったのも…)」

「…わかったわ。協力しましょう」
「ありがとうございます!」

「ところで、よければ彼の名前教えてくれる?」
「えっと…鈴木一馬くんっていいます」

「(本当だった!?)」
美貴は驚く。
しかし、あのラブホで抱いたのと同じで、一馬に怒りは覚えなかった。
むしろ、この歳で相手を逞しい男に仕立て上げた真帆に驚いていた。

そして、『行く』と言ったものの、フッと浮かんだ不安・・
「(真帆ちゃんは一馬くんに別に彼女がいること、知っているのかしら?)」

「美貴さん、どうかしました?」
「う、ううん・・ちょっと似た名前の人を思い出しちゃって・・」
美貴は真帆から顔を反らした。

「一馬っていい名前でしょ?〜肌なんてホントすべすべして、サラブレットの馬みたいなんですぅ〜」
「そ、そうなの・・」
それは肌を合わせての事だろうと思えたが、無邪気に一馬の身体を誉める真帆のことが、とても微笑ましかった。


「(ピュアでいいわね)」
形の上では『ライバル』である真帆だが、美貴にはそんな気持ちは全く無かった。

それよりも
「(一馬くんには、家庭教師をしてることは言ったけど、真帆ちゃんだとは言ってないものね…)」
一馬に隠し事をしていたのには後ろめたさこそあるが
「(真帆ちゃんと二人で、一馬くんを頂ければ面白いかもね〜)」
実はまんざらでもなかったり。


―その頃、鈴木家。
「…なんか強烈な寒気が襲ってきた気がするけど、気のせいかな…」
一馬はひとり、机に向かって勉強中。

そこに、携帯がメールの着信を知らせる。
相手は真帆。

『明日の勉強会、強力な助っ人も一緒に来るから楽しみにしててね♪』

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