海で・・ 675
「あっ;僕でよかったらいつでも誘って下さい…」
ちょっと怖い気もするけど、大賀先輩が一緒なら男一人ってことでは無いもんね。
何気にプールサイドの奥を見ると、翔と工藤さんが話しをしているのが見えた。
あいついつの間に…?
名古屋行きの話しでもしているのかな?…
最初は渋ってたくせに、決めたとなれば早いもんだな。
それにしても、あの2人、並んでるとお似合いの2人だよなぁ。
工藤さん、なんか少し頬が赤くなったぞ。
翔にあのことを言われたのか、僕に見られてるからなのか。
「あら一馬ぁ、陽菜ちゃんが気になるのね〜」
「あっ…」
成美がやってきて、松永先輩の隣に座る。
こうして見るとタイプは全く違う2人だけど、それぞれにほんと、美しいよな…
「そういうじゃなくて;…同じクラスメートとしてに過ぎませんから…」
僕は言い訳がましく言う。
「あの一緒にいる男子もなかなかいいんじゃない?…」
成美;…また食っちゃうつもりじゃないですよね;…
「あいつ、千葉先輩の弟ですよ…」
「へぇ〜、栞のねぇ、ちょっとあの子とは印象違うねぇ」
それでも、美人の姉にイケメンの弟ですよ、なんかすごいじゃないですか。
「そっかぁ、陽菜ちゃんの彼氏くんがねぇ…まあ似合うからいいんじゃないかなぁ」
「成美と大賀くんとは正反対よね」
隣の松永先輩がツッコミを入れる。
「そう言ってる余裕、メグにはあるの?私はもったいないと思うな、メグに彼氏の一人や二人、今までにできたことがないなんてさ」
「へぇ?…そうなんですか?…」
「ほら、一馬くんだって驚くでしょ?…メグほどの美少女だったら、男子なんて選び放題だと思ったはよ…」
そう言いながら僕の股間を見つめた成美は…“はぁは〜ん”と言う顔をして微笑んだ。
やばっ;…
「だから何時も言ってるでしょ…告られたことも、ナンパされたことも一度も無いんだって…」