海で・・ 674
プールから上がってきた人のうち、2人が僕らのところにやってきた。
「鈴木くん、来てくれたんだね」
「ああ…うん」
1人は隣のクラスの園田美月さん。
工藤さんの少し後にシンクロ部に入った一年生だ。
彼女も同様に可愛らしい…ボディラインもくっきり見えて際立つ。
僕はさらに強く握り締める…
「陽菜のことではありがとうぉ、力になってくれたんだって?…」
園田さんは束ねていたを髪を解き、長い髪をタオルで拭いた。
「あ、僕は何もしてないよ…ただ側にいただけだから…」
「そう?…陽菜は、鈴木くんのこと…凄く感謝してたはよ…」
「そう…なんだ」
人づてでもそう聞くと何だか嬉しい反面恥ずかしい。
「私だって気持ちは一緒だよ」
「うん…」
園田さんはそう言って微笑む。
「美月ちゃんの言うとおりだね、鈴木くん…いや、一馬くんは私たちのスーパーヒーローだよぉ」
隣で笑顔を見せるのは松永恵先輩。
成美から紹介はされたけど、まだ話したことがなかった…でも、このシンクロ部では一番の美人と言ってもいい、そんな人だ。
「近いうちに鈴木くんと大賀くんにはお礼しなきゃって、丁度言っていたところなんだよぉ」
「あ、いえ、僕なんて大賀先輩に比べたら何もしてないようなもんですから;…だからお礼なんていりませんよぉ;…」
僕はポケットに入れていないもう片方の手で、頭をかいた。
「そんなこと無いはよ。もちろん大賀くんにも感謝しているけど、真っ先に駆け込んで来てくれた鈴木くんには、それ以上に感謝しているのよ。」
松永先輩はにこやかに微笑みながら僕に言う。
その笑顔と、すらっとした身体、それに豊かな胸元が僕の心と股間を揺るがそうとする。
「あ、ありがとうございます…」
「成美や栞ともいろいろ話してるんだ。シンクロ部で集まるときは一馬くんも誘っちゃうよ」