海で・・ 664
「乱暴って?…藤堂先生がそんなことを?…」
「いいえそうじゃないの…総べてが誤解だったの…」
相楽先輩は瞳を潤ませていた。
「ありもしない噂が藤堂先生を休職に追い込んだ…そういうことですか?…」
僕は相楽先輩を気づかい、その肩にそっと手を宛てがった…
相楽先輩はコクンと何も言わず頷いた。
香織さんやみゆきさんに責められていたのもその延長線上なのか?
それに、成美は藤堂先生をあまりいい目で見ていなかったけど…その見方も誤解だったのだろうか?
「あまりみんなを責めないで欲しいの…成美もきっと、お友達を守りたかっただけ…」
「成美の友達?」
「うん…演劇部の部長、植田瑠璃子ちゃんね」
えっ?…植田先輩?…
「植田先輩が、何か藤堂先生と関わっていたとでも言うんですか?…」
僕は恐る恐る聞いてみる…
「私だって瑠璃子ちゃんの気持ちも分かるの…だって藤堂先生は誰が見たって、爽やかな好青年ですもの…」
えっ?…植田先輩?…
「植田先輩が、何か藤堂先生と関わっていたとでも言うんですか?…」
僕は恐る恐る聞いてみる…
「私だって瑠璃子ちゃんの気持ちも分かるの…だって藤堂先生は誰が見たって、爽やかな好青年ですもの…」
「それって、いったいどういうことなんですか?」
僕は躊躇うことなく相楽先輩に尋ねた。
「瑠璃子ちゃんは、自分が書いた脚本の作品に藤堂先生をキャスティングしようとしたの。それがきっかけで、2人はただならぬ仲に踏み入って…」