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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 661

…その友達、間違いなくミキさんのことだろう。
工藤さんが気づかなければ、アヤさんとミキさん、少なくともどちらかは千葉の女になっていたのだ。

「この前、アヤさんから久しぶりにメールが来て…子供が生まれたって…」
千葉の寂しそうな笑顔に、僕は視線を合わせられなかった。

「そ、そうか…、だったらもう、いい想い出にした方が…」
言い難いことだったけど、僕は言わずにはいられなかった。

「……あ、ああ…そうだな…」
千葉は眼鏡を押えて俯いた…

その姿を見るだけで、僕はなんだか鼻の奥がツーンと白んできてしまう…

「いろいろあるよな…」
僕は込み上げるものを押えながら、千葉の肩を横から抱きしめた。

「悪いな…鈴木、僕なんかに…」
千葉の肩が震えているのがわかった。

秀人が幸せになった裏側に、こんな事実があったなんて…
やり場のない感情をどうすればいいのか、しばらくわからなかった。

「お互い、今を頑張ろうぜ」
「ああ…そうだな」

千葉は鼻を啜りながら頭を凭れ掛けてくる…

「おい、鼻水着けんなよ…」
僕はその頭をポンポンと叩きながらボソッと言った。

「はは;…ここで拭いてやるぜぇ!」
「うぉい!汚いことすんなぁってぇ!」
「ははは、逃げんなぁよ〜」

僕と千葉はずっと前からの友達みたいに、廊下を2人、駈けていった…

千葉がアヤさんと関係していたことを知って、秀人と重なる面を見つけたのかもしれない。
この男とは、なんとなくだけど仲良くなれるかもしれない。
そして、お互いに何か、共有するものもあるはずだ。

「工藤さんとも…出来るよう頑張れよ」
「ああ…なるべく、一歩踏み出せるようにしないとな」
「じゃないと僕が工藤さんの初めてをもらうよ」
「なっ!?…そ、それじゃ、いっそう頑張らないと…!!」

100%冗談のつもりでもなかったりね。
千葉くんは知らないだろうけど、うちのクラスには3人、僕が初めてをもらった女子がいるから…

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