海で・・ 635
…そっちの意味でですか!
みゆきさん、意外と何かが緩いような気がします。
「みゆきさんは、積極的な子だったんですねぇ」
「そうかなぁ?…まあ、そうなのかもしれない、かな」
「あかりさんは父さんと…ですけど、みゆきさんは…」
「私は年下の男の子のほうが好き、だな…」
「それで教師になったって訳じゃないですよね?…」
「あらどうして分かったの?…でもうちの学校、男子が少なくてがっかりしちゃったぁ訳よぉ」
何を期待して教師になったんです?
「でも1年は、三分の一以上は男子がいるみたいじゃないですか…」
「そうね…その中でも一馬くんと高柳くんは、群を抜いてるはよね…」
みゆきさん;…そう言って頂けるは嬉しいですが…それって単なるみゆきさんの趣向じゃないですか;…
「高柳くんが女の子と一緒に歩いてたでしょ。ちょっと先を越されたなぁって思っちゃったよ…」
…気づいていたんですね。
残念そうに零すみゆきさん…本気だったのだろうか。
「ねぇ…一馬くんは、お姉ちゃんと私のこと、どう思ってる?」
「どうって…それゃあ素敵な女性だと思ってますよ…」
「ほんと?…どういう所がぁ?…」
擦り寄って来るみゆきさん…胸が腕に当たってますから;…
「どういうところって…僕はみゆきさんのこと、よく知らないから…」
「それじゃあ…よく知ってみる?…」
みゆきさんの掌が、僕の膝に置かれた…
それと同時に近づくみゆきさんの顔。
「い、いや、あの、あかりさんがいるのに…」
「お姉ちゃんは、一度寝ちゃったらなかなか起きないから…それに、ここじゃしないよ」
みゆきさんは、僕の耳元で囁いた。
「一馬くんのお部屋で…ね」