海で・・ 632
「なに涼と話していたの?」
「あ、茜…それは男同士の話しさ…」
いくらなんでも、涼がモノのサイズを気にしていたなんて言える訳ないもんね:;…
「なんか一馬と涼って、凄く仲良しになったよね」
「そうかな?…まあこないだのお泊り会で、打ち解けた感じだよね…」
あの時は、憧れの真帆と出来なくて、落ち込んでいた涼といろいろ話して、そのあと、茜とヤって…
涼が真帆のことが好き、と知った頃はライバルのように思っていたけど、今ではそんな気持ちはまったくなく、何でも話せる親友、みたいになれたのかもしれない。
「茜は、涼のことどう思ってるんだよ」
「えっ?私?…それは、何にも…」
「“何にも”ってことは無いだろぉ?…涼の初めての人は茜なんだぜ…」
「だから“何にも”なんだよ…涼と寝ても、何もときめかなかったんだよね…」
「…;そ、それゃあアイツは初めてだったんだから、仕方ないだろ?…」
「ううん、そういうじゃないの…イクとかイカないとかじゃない、もっと別のところの問題だと思う。」
「別のところ?…」
「うん…一馬とはぜんぜん違ったもん…」
茜は柄でもなく深く考える。
「別に涼のことが嫌いなわけじゃないの…でも、一馬とは違った。私は、一馬が好きなんだ…」
「さりげなく告白してますね」
「真帆がいなかったら本気になってたかも」
…しばらくして、解散となったので帰宅。
校門に向かっていると
「一馬くん!」
みゆきさんが車を止めていた。
「どうしたんです?」
「お姉ちゃんから、一馬くんのお父さんが出張だからって、遊びに来てって言われちゃったの」
ああそうだったんだ…
「あかりさんは会社も辞めちゃったから、暇してますもんね。」
「そうみたい、安全日に入るまでは外出もしたくないらしくて、呼び出されたって訳よぉ〜」
そう言って僕に腕組みしてくるみゆきさん…
こういうとこって、あかりさんに似てますよね;