海で・・ 608
はだけたシャツから見える厚い胸筋、褐色の肌もサロンで焼いたものではなさそうだ。
「やめろ!その子から手を離せ!!」
僕は男の前に立ち塞がり、工藤さんを庇う。
「ん?…お前ヒーロー気取りかよ?」
男はニヤっと笑うと、僕の金玉を握り絞めてきた…
「ん、ぐっ…」
挑発するような顔と行為…距離も近づき威圧感を覚える。
「やめて…一馬に手は出さないで…」
成美が僕をかばうように声を張り上げる。
「ほう、板野…こいつと仲よさそうだな。大賀とは終わったのか?」
「そんなことどうでもいいでしょ……ああああん!!」
背後の男が水着の中に手を忍ばせ、成美の身体を弄る…
「お前らいい加減に!!」
僕は怒鳴り声を上げるが、力で適う相手ではなかった。
潰れそうなぐらいに握り絞められ、僕は口を大きく開き息を飲み込む…
「ははは!あんたらシンクロ部の憧れの王子様もこれじゃ台無しだなぁ〜。玉揉まれて、喜んでンじゃねーのかぁ〜?」
「だぁ!?誰が喜ぶかぁ!!」
言わずにはいられなかった。
それが火に油を注ぐとは分かっていたのに…
「ほぉう、強がりもいいところだな」
ソイツは僕のそこを握る力をさらに強める。
半端ない痛みに、顔が歪み、気の遠くなりそうな思いも感じる。
視線の端で、工藤さんが別の男に水着を脱がされるのが見えた。
…ごめん、頼りない男で…
男をにらみつけることもままならず、意識は遠のいていく…
「はは!…気持ち良すぎて気絶したってか?…面白れーからコイツの服も脱がしちまおーぜ…!」
悪乗りした男たちにシャツを開けられ、ズボンを脚から抜かれる…
「なんだコレ…随分とスケベなパンツ穿いてんじゃねーか…」
皆の視線がその一馬のモッコリに集中したことを、意識を無くした一馬は分かる訳がなかった…