海で・・ 584
僕がもっと子供だったら、そんなことにも抵抗があったのかもしれない…とも思う。
それがきっかけで、グレたりなんかもしてたかもしれないしな…
だけど僕はもうそんな子供では無い…
男としての父さんの気持ちだって分かるし、何たってあかりさんのことが大好きだからね。
にやりと顔が緩む…
何やかんや言っても、僕は兄弟ができることが嬉しかったんだ…
…週明け、月曜日。
教室に入ると、涼と彰人、茜に優ちゃんの姿もあった。
「おはよう、一馬!」
「みんなもおはよう」
僕が自分の席に座ると、自然に全員がそこにやってくる。
話題はもちろん、昨日までのお泊まり会。
それを少し遠くで不思議そうに眺めていた工藤さんの表情が視界に入った。
「工藤さんおはよう!…」
僕は躊躇わず声を掛ける…
「あ、おはよう…どうしたの皆?…なんだか凄く楽しそうね…」
工藤さんが不思議そうな表情を浮かべ近づいてきた…
「実は週末にコイツん家で皆で集まってさ…」
彰人がニヤケ顔で言う…
「へぇ…そうだったんだぁ」
工藤さんも釣られて頬が緩む。
「今度やるときは陽菜も来る?」
初音さん、今度って、次も考えてるんですか。
「いやぁ…私なんかが来ていいのかなぁ」
「全然問題ないですよー!」
優ちゃんもそれに乗っかる。
そういえば、工藤さんはお父さんを早くに亡くしているんだっけ?
「工藤さんだったら感激っすよ!今回もホント誘えばよかったですよ〜」
彰人;…お前が意図していることは分かり過ぎる程分かるよ;…
でも、もしあの場に工藤さんがいたとしたならば…工藤さんも僕たちに参加してくれたんだろうか?…
そう考えるだけで、僕の股間はトクンっと疼いてしまう;…