海で・・ 581
「そ、そうかな…」
これは正直自分でもよくわからない。
面と向かって言われると少し恥ずかしい気がした。
「一馬くんは優しい人だよ、私にも、ミキ姉にも、別け隔てなく接してくれるから…」
真帆が僕に向かって優しく微笑んだ。
「うん分かるなぁ…凄く気を使ってくれているの、肌身に感じるもの…」
肌身って初音;…それってコトの最中の話しなのか?…
「そうだよね…高柳と一緒なトコもあるけど…一馬の優しさがその全てをカバーしているからね…」
涼と一緒のって茜;…まさかそれってモノの大きさのこと、言ってる訳じゃないよね;…
「一馬、お前ってやっぱりすごいヤツだったんだな…」
「どういう意味で言ってんだお前は…」
彰人が羨望の眼差しを向ける。
「うん、一馬くんはすごいんだよ」
真帆まで…
「私の気持ちになって考えてくれる…ミキ姉とリカ姉に会わせてくれたし、一緒に喜んでくれた…だから私、一馬くんが好きなんだって…」
「なんだかこんなこと言ったら真帆には申し訳無いけど…私も一馬くんと出来て、本当によかったと思っているの…」
初音が俯き加減に小さく言った…
「ごめんなさい真帆ちゃん…それを言うなら私も初音ちゃんと一緒だよ…アヤ姉が一馬くんをあれ程までに薦めたのが、ヤッてみてよく分かったんだ…」
初音に続き、優ちゃんも僕にとっては、余りにも嬉しいことを言ってくれた…
「私もだよ、一馬みたいな男、一生かけて会えると思えないもんね…」
茜も笑顔でそう言ってくれる。
「僕は、一馬には勝てないな…」
涼も両手で『お手上げ』のポーズを作って言う。
「な、なんか、やっぱお前ってすげーよ…」
彰人も視線を逸らせながら。
「ありがとう、みんな」
なんか恥ずかしくなった。
でも、みんながこう言ってくれるのが、何より嬉しかった。
その後、夕方までみんなでゆっくりまったり話し合い、今回のお泊り会は終わったのだった。