海で・・ 578
そりゃあ15.やそこいらで親になるなんて、あまりにも実感が湧かないよね…
僕なんて13歳で精通を経験して、まだ2年しか経ってはいない訳で…親になるなんてとても考えられないしな…
茜や初音が考え込んでしまうのも、すごく分かるよね…
「へぇ〜、その一馬の親友の秀人ってヤツが、小島の義理のアニキってことなのかぁ?…」
興味津々といった赴きで、彰人が目を輝かせた。
「うん、そういうことになる」
「へぇ…同い年でそういう関係って、なんか複雑だよな」
「しかもお姉ちゃんはもうすぐ子供が生まれる。私はこの歳で叔母さんになっちゃうんだよなぁ」
「それ、かなりショックだよね…」
彰人は興味深く話を聞き、優ちゃんはため息交じりに苦笑し、初音も優ちゃんに同情。
「そういえばさ、一馬、お前去年の夏に海でナンパして童貞捨てたって言ってたよな」
「お前、それをそこで言うのか…」
「そうだよ…真帆の前でそんなこと言うなんて、アンタってほんとデリカシーの無い男だね…」
呆れながら茜が僕を助けてくれる…
「あ、私なら平気だよ。その事はもう知ってるし…」
真帆…そんなこと言ったら、油を注ぐようなもんじゃないですか;…
…ただ、これもいつまでも黙っていたり隠しておくこともできなかったと思う。
ちょうどこれがいい機会だと、僕は思っていた。
「そのとき秀人と、優ちゃんのお姉さん…アヤさんって言うんだけどね…2人は知り合ったわけで」
「へぇ…」
「それも後で知ったんだよね」
優ちゃんは苦笑いする。
「へぇ〜俺と涼みたいに、親友同士で同じ時に童貞喪失したって訳かぁ。」
彰人が感心したように言う。
「ああ、まあな…」
僕は言葉を濁らす…
本当は…この時秀人は、既に真帆と体験済みだったんだよね…