海で・・ 569
…その後、僕は真帆と一緒に湯船に浸かる。
「あぁ〜…一馬くんと2回もしちゃったぁ」
「その気だったらまだまだするつもりだっただろ」
「いくら私でも…そんなことはないよ」
「涼とは…」
「あ、見られちゃった?」
少しだけ真帆が恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
「させて貰え無かったって涼から聞いたさ…」
腕を廻し、背後から抱きしめる…
真帆は僕に身を任せ、脚の間に入ってきた…
「あそこまでやっておいてなんだけど…最後は一馬くんのこと考えちゃって…なんだか…」
「そっか…涼には悪かったかもな…」
「私も、高柳くんには謝ったよ…ホントは、最後までしてあげたかったから…」
そう言う真帆の背中を、僕は優しく撫でた。
「なんか、不思議な感じ」
「どうして?」
「一馬くんと一緒にお風呂に入ってるのが」
「僕もそうだよ…まさか自分の家の風呂に、真帆と2人で入るなんて思いもしなかったからさ…」
その風呂でヤっちゃうとはね;…
考えてみると、ここではあかりさんともヤっちゃたんだよね;…
「一馬くんが産まれ育ったお家のお風呂…そこでこうして、産まれたまんまの姿の一馬くんといるなんて…凄く不思議だよ…」
真帆、君だって裸じゃないかよ;…
「一馬くんがお母さんを亡くしてから、いっそう気になった…なんなのかな、言葉じゃ上手く言えないの…」
「いや、いいよ。真帆がこうして側にいてくれるのが一番嬉しいから」
「ありがとう…」
幼い頃から一緒に風呂に入るのは父さんだった。
まあ、あかりさんとは…って、それは別か。